短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。注目の最新刊『チームX(エックス)―― ストーリーで学ぶ1年で業績を13倍にしたチームのつくり方』は「世界的にみても極上レベルのビジネス書」(神田昌典氏)と評され、デビュー作『売上最小化、利益最大化の法則』は「20年に一冊の本」(人気会計士)と絶賛された。そして今、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。本稿では【がっちりマンデー!!】SNSで「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜された本書から一部を抜粋しながら、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。
メルマガ読者をどうやって増やすか?
私がeコマース事業を始めた頃のエピソードだ。
当時は、カニやメロンなど北海道の特産品を扱っていた。
2000年頃は、まだネットで商品を買うのがめずらしい時代で、月商100万円を上げれば業界のスーパースターとして本が書けるくらいだった。
私も売上を上げるために試行錯誤を重ねていたが、月商10万~20万円くらいで伸び悩んでいた。
あるとき、同業者と情報交換していると、「メールマガジン(メルマガ)を発行して売るといい」と聞いた。
ホームページをつくり、お客様を待つだけではなく、メルマガに登録してもらい、メルマガで商品の紹介をして売るのがいいというわけだ。
そうするとメルマガの読者数が重要になる。
メルマガ読者をどうやって増やすか?
当時は懸賞サイトが流行っていた。
そこに「抽選で◯名様にタラバガニプレゼント」と掲載。
応募時に許可を得て、メルマガに登録してもらい、読者を増やす作戦だ。
私は直感的に「これだ!」と思った。
ところが、知人が「あれはダメだよ」と言ってきた。
「プレゼントに応募する人はタダでほしいだけ。
買いたいから応募しているわけではない。
その後の商品購入にはつながらない」
と言うのだ。
私は「確かにそうだ」と思い、この作戦を取りやめた。
思い込みで可能性を封じ込めない方法
その後、しばらくして月商100万円を超えている人のセミナーに行った。
聞けば、メルマガで売上を上げているという。
質疑応答の際に、「どうやって読者を集めたのか?」と聞くと、「懸賞サイトを使った」という。
私は驚いて質問した。
木下:プレゼントに応募している人は無料に惹かれているのであって、買うつもりはないんじゃないですか。
講師:そうでもないですよ。確かにそういう人は一定数いるかもしれませんが、顧客になってリピートしてくれる人もたくさんいます。
私は思い込みで集客の可能性を封じ込めていたことに気づいた。
さっそくプレゼント企画をやってみると、すぐに月商100万円超となった。
そこからはメルマガ読者をプレゼントで集客する戦略にシフトし、どんなプレゼントを出せば、応募者が増えるかを研究した。
結果、日本全体で上位にランクされるほど読者を集めることに成功した。
せっかく時間を使うなら、筋のいいことに時間を使いたいと誰しも思う。
でも、思い込みで可能性をつぶしてはいけない。
応募者は「絶対に買わない」という誓いを立てているわけではない。
勝手にこちらがダメだと思い込んだために、半年くらいムダにしたと思う。
では、思い込みかどうかをどう判断するか。
やはり事前の調査が大切だ。
その戦略で成功している先人を見つけ、徹底的に聞いてやってみる。
そこまでやってダメだったらそれでいいじゃないか。
(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)