ーーしかし、警察の締め付けが強まれば、ホストクラブ側からの反発も起きそうです。
私は公権力はむやみに介入すべきではないとの考えを持っています。ホスト業界の自浄作用を信じたい。
まだ都議会議員になる前の20代のころ、ホストを集めたイベントの司会をしたことがあります。「ホストクラブをもっと身近に知ってもらう」という趣旨で、その時のホストたちは、「ちょっと高いけど楽しい空間なんだよ。憂さ晴らしにみんなおいでよ」という姿勢でした。
しかし、いま悪質ホスト被害者から聞く話は、まったく違います。高額な売掛を前提として、体を売らないと払えなくなる女性まで巻き込んでいます。
ーーでは、どうしていくべきと考えていますか
まずは現行法で対応できる風営法をしっかり使っていくことが重要です。接待を伴う飲食営業をする場合、風俗営業許可が必要となります。許可を取っていないホストクラブやコンカフェ、メンズカフェにもこのルールをしっかりと適用していく。
そのうえで風営法での規制をかけていくことになりますが、それだけでは売掛問題への対応は難しい部分があります。その場合は法改正や新法も選択肢となります。
貸金業法では年収などを基準にその3分の1を超える貸付は原則禁止となっています。「総量規制」と呼ばれる対応で、過度な借り入れから消費者を守ることが目的です。同じく借金であるホストクラブの売掛を対象にするのは、一つの考えです。ホストクラブで、売掛そのものを禁止する手もあるでしょう。
国会が動き、内閣法制局や各省庁の力を借りることができれば、実効性のある対策が打てるはずです。
ーーこうした対策をするとホストクラブの経営は、かなり厳しくなりそうです。
女性が売春や風俗勤務に陥ることなく、無理なく支払える範囲で、自分へのご褒美としてホストクラブに行くことを問題視するつもりはありません。ひと括りに「ホスト=悪」というような風潮になることも望みません。
しかし、若年女性から限度を超えた搾取をしていて、そういうスキームができあがっているのは問題です。委員会での質疑以降、私の元には全国から反響が届いたし、悪質ホスト被害を受けた女性が身近にいることも分かりました。しっかりとした対策を取るべきです。