初めて「相続時精算課税制度」を使う場合の注意点2つ
使い勝手がよくなることにより、2024年1月1日以降は選択する人がグッと増えると見込まれる相続時精算課税制度。ここで、初めて相続時精算課税制度を使う方に向けて、ごくごく簡単な注意点を2つお伝えします。
1つ目の注意点は、贈与税の申告時に「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出する必要があることです。「相続時精算課税選択届出書」は紙1枚の簡単なもの。下記のURLからダウンロードできます。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/yoshiki2020/pdf/025.pdf
仮に初回の贈与が110万円以内であり、贈与税の申告が不要な場合は、この「相続時精算課税選択届出書」だけを届け出ることになります。
「相続時精算課税選択届出書」の提出を忘れてしまうと、相続時精算課税制度を使ったことにはならず、暦年課税制度として処理されてしまいますので注意しましょう。
2つ目の注意点は、「相続時精算課税選択届出書」を提出するタイミングです。
例えば、2024年中に行った贈与について相続時精算課税制度を使いたい場合、「相続時精算課税選択届出書」の提出と贈与税の申告は、2025年2月1日から3月15日の間に行うことになります。手続き自体は、まだまだ先の話なのです。先走りすぎないようにしましょう。
(本原稿は橘慶太著『ぶっちゃけ相続【増補改訂版】』から一部抜粋・追加加筆したものです)