2022年に注目した・盛り上がったと感じる領域、テーマ、テクノロジー、プロダクトなどを教えてください。

・クリプト/Web3
LUNA、FTXの事件など、話題が尽きないクリプトマーケット。冬の時代であるかといえばそうだとは思うのですが、多くの人が盛り上がったテーマとして選んでいた印象です。流れも早いことから、個人的にも学ぶことが多く、環境変化が大変なマーケットではありますが、ブロックチェーンやスマートコントラクトの技術にのっとった上で、より面白いプロダクトが生まれていますし、新しく狙うべきマーケットも生まれてきているなと思っています(個人としてはありがたいことに、このテーマで多くのシードスタートアップに投資させていただきました)。

若い起業家であれば、調べる・学ばなければいけない量が過去よりも格段に多い部分はありますが、学ぶ時間がない先輩を差しおいて勝てることができ、なおかつグローバルを狙うことができるという点において、おすすめできるテーマです。

・グローバル
クリプトの項目で書かせていただいたところもありますが、他のテーマでもDay1(その日)からとまでは言わないですが、グローバルを意識したプロダクトとチームを組成している起業家が多かった印象です。2022年はマクロ環境や社会情勢の観点から、改めて「日本」というものを意識させられた人も多かったのではないでしょうか。そんな中、toB/toC関係なく、グローバルを狙う起業家が増え、早い時期から移住やファイナンス面でも海外VCへのアポイントメント、さらにはグローバルで採用を進めている起業家が多くなっているのは、良い傾向だなと思っています。

・Generative AI(生成AI)
前々からGPT-3自体は発表されており、技術革新が進んではいましたが、Stable DiffusionやMidjourney、OpenAIなど、ユーザー的にもわかりやすい形でGenerative AIが盛り上がった1年だったのではないでしょうか。

チャットの返答におけるCS(カスタマーサクセス)の進化はもちろん、プログラミングやクリエイティブの世界でも応用出来るものだと思っていて、今までに作り得なかったものがAIによって生み出されると同時に、今まで以上に人間と機械の仕事の境界線が曖昧に溶けていき、新しい産業や仕事が生まれる可能性もあります(もちろん、2021年にはWeb3がVCのバズワードと揶揄されたのと同様になる可能性はありますが、技術的な進化がベースである以上、伸びるマーケットのひとつかなと思っています)。