・再生可能エネルギー/電力の需給調整ビジネス
再生可能エネルギー中心の社会の中で、電力の需給調整は必須な要素であり、各社さまざまなアプローチで需給調整ビジネスの展開を模索、いくつかの企業で立ち上がりを見せていた領域です。

2023年のスタートアップシーンや投資環境はどのように変化すると予想しますか。

「資金調達のさらなる大型化」「海外展開の本格化」「M&Aの活性化」が起こるのではないかと考えています。

先日発表された岸田総理による「スタートアップ育成5か年計画」にも見て取れるように、スタートアップ企業の存在感は日に日に増しており、今後の資金流入や人材流入の流れは止まらず、むしろ加速していくと感じています。大型の資金調達を実施し、より大きい規模の事業展開や海外展開に本格的にチャレンジしていくスタートアップ企業が増えてくると考えています。今まででは考えられない規模の金額の資金調達を実施するスタートアップ企業が、国内でも出てくるかもしれません。

また、マネーフォワードなど、数年前に上場したIT企業によるM&Aの事例も近年増えてきているように感じます。M&A以降、業績を順調に拡大させている事例も多く見られ、今後さらなる成長のための1つの選択肢としてM&Aが選ばれるケースも増えてくるのではないかと考えています。

2023年に注目する・盛り上がると考える領域、テーマ、テクノロジー、プロダクトなどを教えてください。

下記の領域に注目しています。

1. コロナ禍を契機に生まれた可処分時間の奪い合い(副業など)
2. AI実装の本格化、データ統合・分析/高度なタスク自動化
3. 責任ある調達、サプライチェーンにおける人権尊重

1. コロナ禍を契機に生まれた可処分時間の奪い合い(副業など)
通勤時間の削減、残業時間の削減により、時間に一定の余裕が生まれたという人も多いのではないかと思います。今後の働き方のイメージがある程度固まってきた中で、空いた時間が生まれており、この時間をどこに投下していくことになるのか、この可処分時間にビジネスチャンスがあると思い注目しています。今まで、「やりたかったができていなかったこと」ができるようになった。そんな環境において、副業、資格学習、趣味、運動、資産運用、家族と過ごす時間の増加など、自分の理想像に近づくことを支援するようなサービスに注目していきたいと考えています。

2. AI実装の本格化、データ統合・分析/高度なタスク自動化
クラウド、SaaSの導入によりアナログデータのデジタル化、クラウドでのデータ管理がある程度進んだ国内においては、データ化したものを有効活用したい、より高いレベルの自動化を達成したいというニーズが生まれてきていると感じています。またAIの技術革新を元に、北米においてはZoomInfo(セールスプロセスの自動化)、AlphaSense(リサーチ業務の自動化)など、社内外のデータを統合・分析し、今まで人間が行っていたような高度なタスクの自動化を可能にするソリューションが数多く出てきている印象です。