「株主総会クラウド」を利用した株主総会のイメージ
「株主総会クラウド」を利用した株主総会のイメージ

スタートアップを含む非上場企業の多くは、株主総会の招集通知を発送する際に紙で印刷して製本し、レターパックなどを利用して各株主に送付することが多い。神先氏の話では「メールに委任状を添付して送り、株主側が印刷して捺印する」というやり方をしている企業もあるそうだが、それでも企業・株主双方の手間は大きく、履歴管理の課題も残る。

これらの業務を全てクラウド上で実施できるようにするのが株主総会クラウドだ。

企業側は作成した招集通知をPDFでアップロードし、参加する株主や開催日時、開催場所といった基本的な情報を入力すれば準備は完了。ワンクリックで招集通知と委任状が株主にメールで一括送信される。

メールを受け取った株主は、参加方法や各議案事項の賛否をブラウザ上でクリックして回答していくだけ。回答内容は委任状として企業側に送信され、委任状の控えが株主側に送信される。回答状況や各議案への賛否はリアルタイムで更新されるため、企業側はその進捗をオンライン上でチェックできる。終了した株主総会の開催履歴についても、いつでも閲覧可能だ。

「株主総会クラウド」の利用イメージ動画

軸となる機能に加えて、今回の正式版では新たにいくつかの機能が追加された。特に大きいのが「(株主側が)PDFをアップロードすると委任状回答ができる機能」だという。

「ベータ版を使ってもらう中で、株主が事業会社の場合に委任状の捺印にも取締役会の承認が必要になるということが複数件ありました。つまりスタートアップ側から招集通知をオンラインで送るのは問題ないけれど、事業会社側では紙での捺印作業が発生するということです。そういった際にも招集通知の発送と委任状の回収が効率的にできるように、株主総会クラウド上にPDFをアップロードするだけで、委任状回答ができる仕組みを追加しました」(神先氏)

そのほかにも開催企業側が紙やPDFで委任状を受け取った場合に、自分たちで回答を代理入力して履歴管理ができる「回答代理入力機能」や、委任状の回答画面に遷移する際にパスワード入力を必須とする「パスワード機能」などを追加。株主向けの機能としては、参加した株主総会の履歴一覧と詳細へアクセスできる「株主マイページ」の提供を始めた。

利用料金は株主総会開催ごとに課金。株主1人につき980円で、15人を超える場合には1万4800円の基本料金が追加される。なお株主側は無料でサービスを利用できる。

「株主総会クラウド」の仕組み
「株主総会クラウド」の仕組み

事前準備における「紙をなくしたい」に応える

2カ月間ベータ版を運用する中で、神先氏が特にニーズが大きいと感じたのが「シリーズA以降のフェーズのスタートアップ」だ。