結果それがあんまりワークしなかった。なぜかというと、そもそもその人のスキル以外の部分、カルチャー的なところの共有がほぼできていなかったし、そこを見極めることに時間をかけてなかった気がするんですよね。

西川:全然時間をかけてなかったね。

赤坂:「スタートアップあるある」にありそうな、初期の焦り。とにかく誰でもいいから早く仲間になってほしい。なぜならばスピードアップしたいからって思っていたこと自体が罠で、そこでミスをしていた気がする。僕らの場合は中途採用でカルチャーマッチをするっていうのがあの当時すごい難しいと思った。なぜならば自社にカルチャーがなかったから。それでインターン中心の組織になっていったね。

哲学や夢を語ることが、ウソのないカルチャーになる

西川:でも、よくインターンはあれほど集まりましたよね。

赤坂:本当に恵まれていた時期でした。僕たちが起業した2008年頃って、インターン生特化の求人メディアがたくさん立ち上がった時期なんです。未だに覚えているんですけど、当時ってPCとモバイルの検索結果が若干違っていたんです。モバイルで検索する大学生がすごく増えているのに、インターン求人メディアは割とPCにフォーカスしているものが多くて、モバイルが(SEO的に)ガラ空きになっていたんです。

それに目をつけたスタートアップのインターン求人メディアが参入してきて、検索上位1位、2位を取ったんです。その方達に連絡をして、モバイルのトップページをジャックさせてもらったので、インターン生が30人くらい来たりしました。あれが僕たちの「組織グロースハック」の一番最初かもしれないですね。

西川:当時そんなにインターン生を採用しているスタートアップがまだ少なかったし、有償インターンをやってるところがあまりまだなかったんです。私たちは最初から安いなりにお金を払って、ちゃんとやってもらって、実力がついたら普通にアルバイトするより絶対に高い給料を払っていたからそれも評価されて、みんながどんどん人を呼んできてくれていました。30人入って5人残る。それで、どんどん入れ替わるような感じで。

ただ、インターンを集めた時も、社員からは「理念がない会社で働くのは、インターンもかわいそう」「将来どういう責任を取るんですか」みたいな言われ方もしていましたね。

赤坂:「ハーフパンツで会社に来るのはやめてください」みたいな。「サンダルもやめてください」「カップラーメンを食べないでください」「学生にはこの会社に就職させたくないです」って言われてましたからね。