でも、それぐらい(僕らに)信用がなかったんだと思います。創業期の「あるある」だとは思いますが、最初のメンバーは自分たちのやりたいことや、仕事の考え方に共感してもらえるような人を集めないとすぐ散り散りになってしまうかもしれません。
西川:そうですね。結局インターン生でも、結構長くエウレカに居てくれた人、今でもいる人もいます。なんなら取締役になってる人もいるし。カルチャーマッチしてからはすごいよかったかもしれないね。理念がない分、夢をでかく語っていた。
赤坂:うん。結果的にあの当時は「経営理念がない。じゃあどうしよう」ってなって、自然と学生に対して、働き方や仕事のスタンスなど、僕らの哲学を話していた気がする。それはスティーブ・ジョブズがアップルを創業した当時に彼が考えていたような哲学とか、何か大手企業へのアンチテーゼみたいなこと。「大企業で歯車になって何が楽しいんだ」みたいな話をして、世の中に何かを起こそうという夢を語って、心を打たれた人をリクルーティングするということをやっていました。それが自然とカルチャーになってったのかもしれないですね。嘘じゃないカルチャーというか。
西川:そうだね。
赤坂:たぶんそれは僕らが本当にそう思っていたからなんだろうな。
思ってきたことが、そのまま経営理念になった
西川:結局一番最初の経営理念って「稼ぐことはカッコイイ」にしたじゃないですか。それってずっと思っていたけど言語化しなかっただけで、インターン生には伝えていましたもんね。お金を稼ぐってことはすごく素晴らしい事で、toBでもtoCでもお客様から認められないと稼げないから、稼いでる会社はすごい素晴らしいっていうのは言っていた。そのことが経営理念になったから、結果として思っていることと理念とが一緒になりましたよね。
赤坂:スタートアップでサービスを作って、それが赤字を大幅に掘り続けて……ということを僕たちは良しとしていなかったですもんね。初期からでも収益化できないものは、あまりよろしくないみたいなことをずっと言っていた。
西川:そうね。会社は赤字になったことがないもんね。1回もね。確かにな。
でも経営理念を作った時のことを覚えていますけど、私は「いる?」と思ったんですよね。稼ぐのが大変すぎて、経営理念とか作ってる暇ないじゃんって。それやっててもいいけど会社が潰れるよみたいな。
赤坂:それは正しかったと思うんですが、(当時は)正しいかどうか分からなかったんですよね。未熟すぎたんです。今なら、5名の時に経営理念が必要かどうかを考えている場合じゃなくて、そもそも事業を企画しないと会社なんて潰れちゃうからって言えるんですけど、それを言えないぐらいにテンパっていました。