事業自体が不安定で、何をやっていけば永続的に成長できる組織になるのかっていうのがまだ分からない。1年後の売り上げも分からないのに、従業員に対しては魅力的な会社に見せないと、その人たちすら辞めてしまう可能性がありました。事業も考えないといけないのに、嘘でもいいので美しく語らなければならないんじゃないかという焦りがありました。

西川:経営理念を出して欲しいと言った2人のうち1人は辞めてしまいましたが、もう1人は長い間残ってくれて、会社の結果とともにマインドも変えてくれて。やっぱり結果が出ていれば、付いてきてくれるというか納得してくれるんですね。

赤坂:うん。だから「結果が出れば、それを見て(仲間も)付いてきてくれる」っていうのが僕らも分かった。それで僕らも自信を持ったし、同時に今後も結果を出し続けていけば信用してくれるっていうのも分かったんですよね。あの当時、西川さんに「失敗してもいいけど、2回連続で失敗すると人の心は離れていく。2回連続でコケないようにしよう」と言っていた記憶があります。

西川:赤坂くんが会社を作ってすぐ、広告の裏に書いた売り上げ目標があるじゃないですか。あの数字をちゃんと達成していくというか、結果を出していましたよね。すごいふわっとしているけど、言ったことを必ずやる、やり続けるってすごい大事だなと思っています。

立てた目標は必ず経営者が主導して、みんなで達成していくみたいなことができたから、「これ無理な目標だな」と思っていたみんなが、「1つクリアできたら次いけるかも、これできたんだったらこれもできるかもしれない」みたいになっていきました。結構無茶苦茶な売り上げ計画がちゃんと達成できたから、「言った結果をちゃんと出す」っていうのは今もですが大事だなって思いますね。

赤坂:今思えば、経営理念が何でないのかと言われて、ない理由を考えたことが価値だったかもしれない。「無理やり作らない」という結論を出せたことが、自分たちに素直であり続けることができたファーストステップだと思うんです。

あれがきっかけで、「オフィスはこういう風にするんだ」とか、「僕の服装はだらしなくてもいいんだ。なぜならばクライアントとのコミュニケーションにおいて服装が重要じゃないからだ」みたいなことも言えるようになったじゃないですか。だから、あの問いをもらったことによって、僕らが成長できたのかもしれないですね。