「このマーケットはロングタームで物事を考えるのが大事なので、そういう意味では上場を機に、ロングタームで経営の話ができるようになり、そこに対する理解者が増えたのは良かったですね。その結果、BASEもMOSHへの投資など一段大きいチャレンジができるているので、あのタイミングで上場して良かったと思います」(鶴岡氏)
物販EC、サービスECで個別に成長を目指す
情熱を持ったプロフェッショナルな個人が自身の持つ技術や情報をシンプルに発信・予約・決済できる手法がない——そんな課題を解決すべく、サイト作成サービスから始まり、徐々に事前決済や月額サブスクリプション課金機能、Zoom連携などの機能を拡充し、個人やスモールチーム向けのプラットフォームとして個人のマネタイズを支援してきたMOSH。
これまで口コミを中心に事業者の数を増やしてきたが、まだ正社員は3人しかおらず、これといったマーケティングの施策は実施できていない。今回調達した資金は、サービス認知拡大のためのマーケティングと人材採用の拡充に活用し、さらなる事業拡大を目指していく。
「個人やスモールチームの持つ情熱がサービスの提供を通じて、エンドユーザである顧客に伝わり、その情熱が循環していく経済をつくるのがMOSHのミッションです。そんな世界を実現するために、MOSHは今後も個人をエンパワーメントし、事業者の人たちが多様性あるサービスを提供できるよう、最大限にサポートしていきます」(藪氏)
また鶴岡氏によれば、BASEの中にMOSHを組み込むことは全く考えておらず、基本的には「個人やスモールチームをエンパワーメントする世界の実現」に向けて、BASEは物販EC、MOSHはサービスECという形で個別に事業を成長させていく方針だ。
「僕たちはMOSHが成長することで、マーケットの規模が大きくなっていくことは嬉しいので、僕たちなりのやり方でMOSHの成長に貢献していきたいです。BASEとMOSHにとって一番困るのは個人やスモールチームが強くなっていかないことなので、お互いに切磋琢磨しながらマーケットをつくっていければと思っています」(鶴岡氏)