3つのステップについてそれぞれ見ていきましょう。

1.相手の話を聞く

 まず、絶対に必要なのが相手の話を100%聞くことです。ここで大事なのが、話の途中で、オチを決めつけないことです。

 よくある間違いとして、相手が話をしてる途中に話のオチを予測して、決めつけてしまうパターンです。

 たとえば、仕事の悩みを話しているときに、途中で「じゃあ転職したらいいんじゃない?」と言うことなどは絶対にNGです。こういった話の場合、話している側も悩んでいるのを結論にしているうえで、「どう辛いのか」を伝えたいのです。そのプロセスに対して水を差してしまっては、相手は話す気を失ってしまいます。

 そうではなく、仮に話の流れを掴んでいたとしても、必ず最後まで、相手の言葉を聞くことが第1ステップです。

2.話の内容を解釈する

 相手の話を最後まで聞いたあとのステップが「解釈すること」です。これは相手の話の本質はどこにあるのか見つけることです。

 たとえば、先ほどの仕事の悩みだとしたら、話の意図として以下のようなものが考えられます。

・転職の背中を押してほしい
・今のところは転職は考えていないが、まずは愚痴を聞いてほしい
・ネガティブな気分だから、楽しい気分にさせてほしい

 こういったエピソードを解釈し、その話をした根っこの理由をしっかりと探り当てることが重要です。ここを間違えてしまうと、よかれと思って言ったことを「そう言うことじゃない!」と言われるはめになってしまい、なぜか痛い目をみます。

 そして、この解釈を正しくするためには相手の話を全部聞いて空気感を掴み取ることが大事なのです。

3.解釈をもとに相手に答えを言わせる

 最後が、解釈をもとに相手に答えを言わせることです。ステップ2までを経て「相手は愚痴を言いたいだけなんだな」と解釈をしても、それを自分から言葉にしてはいけません。

 なぜなら、その答えが正しかったとしても、先に人に言われてしまうことで、「それはそうなんだけど」とモヤモヤが残ってしまうからです。皆さんにも経験があるかもしれませんが、人と話していてスッキリしたり、満足できる瞬間というのは「自分で答えを見つけられたとき」です。それをこちらが奪ってはいけません。

 ですから、相手は愚痴を言ってスッキリしたいんだと解釈したのであれば、そのことを直接言うのではなく、「今日は思いっきり言いたいこと言いなよ」と相手が自由になるサポート言葉を送るようにしましょう。

 そうすることで、相手は「そうか、自分は愚痴を言いたいのか」と自分の気持ちに気づくことができます。

 少し長くなりましたが、この3ステップはどれもシンプルなことですので、ぜひ試してみてください。

 余談ですが、売れているお笑い芸人も、このような形で人のエピソードを聞くときは必ず、このステップを踏んでいます。人の話を遮ることもしなければ、結論を決めつけることもしません。その人の中にある思いを引き出すことに注力しているのです。

 こういったことができるからこそ、芸人を中心としたトーク番組が今の主流になっているのでしょう。