じっくり練ることの落とし穴
じっくりとアイデアを練っていい漫才が作れたこともありますが、ほとんどの場合はそうではありません。もちろん、それなりのレベルではあるのですが、もっといいものにできると当時の私は考えていたのです。
そのため、締切を少し伸ばしてもらって頭を限界まで使いました。それでもなんだか微妙な感じがします。そんな状態の私をを見た師匠からこんなことを言われました。
「頑張りどころを間違えたらダメ。なんのためにまわりの人がいるか考えなさい」
ハッとしました。私は全ての仕事を自分で抱えて、自分だけでどうにかしようとしていたのです。対して師匠は、うまくまわりの人の力を借りており、仕事のやり方にメリハリがあったのです。
どういうことかと言うと、私は自分1人で100点の仕事をしようと頑張っていたのに対して、師匠は最初は60点や70点くらいの質でスピードを重視し、まわりの人に意見をもらいながら最終的に100点に仕上げていくというスタイルだったのです。そのため、師匠はスピードも質も高いレベルを維持することができていました。
それ以降、私も速さを意識するようになりました。微妙かもと思っても、締切よりも前に原稿を上げて、先にチェックしてもらい、締切までにまた修正するというスタイルです。昔よりも仕事の質が上がったのは間違いないですし、人の意見ももらえるので、新しい考え方にも出会えます。
もし、「自分のところで仕事を止めてしまうことが多い」と感じる人は意識だけで変えていけることですので、試してみてください。