総予測2024#82Photo:SetsukoN/gettyimages

地政学リスクや政府の支援などで国内外から脚光を浴びる一方、厳しい評価を受けて二極化する日本のスタートアップ。特集『総予測2024』の本稿では、国内のベンチャーキャピタリスト24人によるアンケートを実施。前、中、後編の後編として8人の回答を掲載する。スタートアップを取り巻く環境について、2023年の振り返りと、注目スタートアップなど24年の予測を聞いた。(シニアエディター 岩本有平)

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「グローバルで見れば、日本のスタートアップを取り巻く環境は相対的に良好である」。そう語るベンチャーキャピタリストは多い。だが同時に「国内でのスタートアップの選別が激化し、『勝ち組』と『負け組』がより鮮明になる」と口をそろえる。

 100億円規模の大型の資金調達を実施し、大きな成長の機会を得る「勝ち組スタートアップ」に注目が集まる一方で、資金調達に苦戦し、ダウンラウンドでの資金調達をせざるを得ないスタートアップや、救済的なM&Aで身売りせざるを得なくなる「負け組スタートアップ」も出てくる。それが2024年の国内スタートアップを取り巻く環境のようだ。

 本稿では前中後編の3回に分けて、投資家24人のアンケートの結果を掲載する。アンケートはスタートアップ企業に出資するベンチャーキャピタリスト、エンジェル投資家40人に対して23年11月14日から30日にかけてオンラインで実施したもので、回答順に掲載している。

 なお、アンケートの内容は次の通り。

【質問1】23年のスタートアップを取り巻く環境をどう振り返りますか。
【質問2】23年に注目した・盛り上がった領域、テーマ、テクノロジー、プロダクトなどを教えてください。
【質問3】24年のスタートアップを取り巻く環境をどう予測しますか。
【質問4】24年に注目する・盛り上がると考える領域、テーマ、テクノロジー、プロダクトなどを教えてください。
【質問5】24年に注目する投資先スタートアップについて教えてください。最大3社挙げてください。
【質問6】24年に注目する投資先以外のスタートアップについて教えてください。最大1社挙げてください。

日本を代表するベンチャーキャピタリストらが見る24年の業界動向は次ページから。将来の優良銘柄たり得る「勝ち組スタートアップ」をいち早く見いだすヒントになるだろう。