しかし、このときのChompyはピークタイムである11時半~12時半にかけて「一時利用停止」する事態に陥っていた。
「配達員の密度が減ると、サービス体験も下がる。その最低値はどこにあるのか、注文が配達員のキャパシティを超えたときにどう対処すべきか。まさに、その限界値を探っていたタイミングでした。ユーザーのみなさまにはご迷惑をおかけしましたが、おかげで閾値を見ることができました」(大見氏)
飲食店・配達員・サービスの掛け合わせ
フードデリバリーは、ソフトウェア開発はもちろん、配送経路やオペレーション、ローカルへの最適化を行う必要がある。そのため、「参入障壁が高く、経営経験の豊富な連続起業家でも敬遠する傾向がある」と大見氏は言う。
そうした難しい領域にも関わらず、SYNはDeNA(Delight Ventures)やDCMベンチャーズ、Coral Capital、さらにサンフランシスコを中心に投資を行うGreenoaks Capitalからローンチ前に約2億円の資金調達に成功した。
さらに、2回目の資金調達は2020年夏頃を予定しており、それまでは開発と営業、オペレーションの磨き込みに注力する。資金調達後には配達地域の拡大も考えているという。
「フードデリバリーで特に問われるのが、“ローカル化”です。僕らは、引き続き飲食店・配達員・サービスの3つを強化させながら、まずはローカル中心で仕組みを確立させていく。このビジョンに対して、投資家の方々から評価いただきました。今後はより日常利用できるようにし、街の個店をさらに支える場作りをしていきたい」(大見氏)
Chompyのさらなる「ローカル最適化」で、Uber Eatsを凌駕する日は来るのか。日本の「食」が彼らのサービスをベースに、世界へ展開されていく日が楽しみだ。