現在、約200社、3000ユーザーに導入されているミーテル。代表取締役の會田武史氏は、起業を決意してから3カ月で、10以上のプロダクトでトライアンドエラーを繰り返した末に、ミーテルの構想にたどり着いた。サービス誕生にいたる道のりや起業の背景について、會田氏に聞いた。

とにかくヒアリングする徹底的な現場主義

――創業までの経緯を教えてください。

 2016年11月、当時勤めていた三菱商事でウクライナ駐在中に、起業を決意しました。働きながら起業の準備を行い、翌年7月に登記しました。

 起業を決意してから3カ月ほどで、弁護士の打ち合わせ用ツールや心理カウンセラーのヒアリングツールなど、さまざまな分野で10以上のプロダクトを企画しました。

電話営業のトークをAI解析、スタートアップ企業コンテストで賞を総なめ會田氏がプロダクト企画時に考えたマップ 提供:レブコム
拡大画像表示

 まず、「課題の大きさ」「課題解決の可能性」「市場規模と今後拡大する可能性」「社会的意義」の4つを高いレベルで満たすものを整理していき仮説を立てます。その後、実際に足を運んで現場の声を拾い、市場調査を実施。ゼロベースから課題を聞き出し、一番現場のペインが強いものを探していきました。

 ミーテルとはまるっきり分野が違う化粧品ブランドの美容部員の接客サービスまで考えたんですよ。会社勤めをしながら百貨店に通い、美容部員の女性たちに聞き込みしたりもしました。

――企画したプロダクトの共通点は何ですか。

 最終的な目標は、経営課題を解決すること。経営判断に寄与するビッグデータを集め、経営の意思決定ができるAIプラットフォームを作りたいと考えているので、経営判断に結び付く現場の声を吸い上げられるプロダクトを、逆算して考えていきました。

――10以上あるプロダクトアイデアを、どのように絞っていったのですか。

 まず、これから来る面白い領域として挙げられる「ブロックチェーン」「量子コンピュータ」「ディープラーニング」の3分野に絞り、それぞれについて勉強しました。

 ブロックチェーンは面白い技術ですが、安全性を担保するために採掘者(マイナー)と呼ばれる専任者のチェックが必要不可欠です。個人情報の管理なども考えると、サービス化した時にインセンティブを作ることが難しい。また、量子コンピュータをビジネスに応用するには、10年単位の歳月を要します。今手を出すには早すぎると考えました。その結果、圧倒的に実現可能性が高いディープラーニングを選択しました。

 そして、経営のペインのほとんどの問題が、コミュニケーションから生じる。音声はそのユーザーインターフェースになりつつあります。そこで、ディープラーニングと音声によるコミュニケーションを掛け合わせたサービスにしようと思いつきました。