けんすう 分かりました、よろしくお願いします。
徳力 まずはご経歴からですが、そもそも、けんすうさんがインターネットに初めて触れたのは、いつ頃ですか。
けんすう 15歳の時(1996年)にNECが提供していた「パソコン通信」に触れたのが最初ですね。その頃から、現在のアル CTOでnanapiの共同創業者である和田(修一)と一緒にホームページをつくっていました。
大学生の頃は、大学受験の情報コミュニティ「ミルクカフェ」を立ち上げたほか、「したらば掲示板」というレンタル掲示板を運営する会社の社長も務めて、その後1年ほどで掲示板事業をライブドアに売却し、そのまま同社でアルバイトをしてから新卒でリクルートに入社しました。
徳力 一度、社長を務めたにもかかわらず、サラリーマンになろうと思ったのは、なぜですか。
けんすう ライブドアは、エンジニアのレベルが非常に高いんですよ。それを目の当たりにして、自分はエンジニアの世界で勝負できないと思いました。そのまま就職せずにだらだら生きようかとも思ったのですが、2ちゃんねるの創設者であるひろゆき(西村博之)さんに「このままいくと、おいらみたいになるよ」と言われ、「それは、まずい」と真剣に考えて就職することにしたんです。
徳力 (笑)。そしてリクルートを経て、nanapiを起業されたわけですね。
けんすう はい。リクルートを3年で退社して、2009年にnanapiを創業して、2014年にKDDIに売却しました。そこから2018年まで4年間、KDDIグループに在籍していました。
KDDIやリクルートとインターネット企業との違いとは
徳力 リクルートやKDDIは企業規模が大きく、けんすうさんが創業したnanapiなどのベンチャー企業とは、カルチャーが全く異なると思いますが、どのような違いがありましたか。
けんすう リクルートは、マンガの『キングダム』の世界に似ていますよね。今は違うのかもしれませんが、当時は猛者どもが「俺は、天下を取るぞ」と方々で叫んでいる感じで、実はあんまりロジックがなかったりするんですよ。天下をとった後に「あれっ、俺どうするんだっけ」的な(笑)。
一方で、KDDIの遺伝子は、インフラですよね。きちんと計画通りに事業を進めて、お客さまにもきちんとしたサービスを提供し続けることが大事だと考えています。両社とも“インターネット企業”では、ないですよね。
徳力 今のけんすうさんの話でいう“インターネット企業”と、その他の会社は何が違うのでしょうか。