飛び抜けて高い金額を提示する業者には要警戒
ただし、「仲介」の場合は、金額だけで決めるのは要注意です。「預かり高日本一!」なんていうキャッチコピーを使った仲介業者の広告や宣伝を目にしたことがあるかもしれません。扱っている不動産数が日本一だなんて、なんだか実績のある会社のような気がしますよね。
でも実態は、高めに査定をして不動産を預かっているだけということが多いようです。たとえば査定の適性が1000万円の物件があったとしましょう。相見積もりをとったら、900万円から1200万円の価格を提示する仲介業者が多いなか、1社だけ2000万円という価格を提示してきたらどうしますか?
売主にとってみれば、「こんなに高く売ってくれるところもあるんだ!」と飛びつきたくなりますが、買い手からすれば相場よりもはるかに高いので、なかなか売れません。こうした仲介業者と専任媒介契約を結んでしまうと、本来であれば売れるはずの物件が売れなくなってしまう可能性もあるので要注意。
結局、いつまでたっても買い手が見つからないので価格を下げなければならず、当初の査定からは大幅に下回る金額で売ることになるケースがほとんどです。
不動産会社の営業担当者は、それぞれ売上目標を背負っています。そして、売り物件をたくさん持っていることを重視する会社もあります。高い金額を提示する仲介業者のなかには、「売る自信があるからこの金額を出した」という人もいますが、8割方は「いったん高く預かって、売れなければ値下げすればいい」という考え方です。
その場合、売れない物件が野ざらしになっている状態なので、時期を逃すと適正価格まで値下げをしても売れなくなってしまいかねません。実は、こういう事態はよく起きています。残念なことに、本当にお客さまのことを第一に考える会社は少ないというのが、この業界に長くいる私の本音です。
信頼できる担当者を見抜くチェックポイント
先ほど、「高すぎる査定額をつける業者は要注意」と説明しましたが、不動産の適正価格なんて、一般の方にはよくわからないもの。一つずつ根拠をあげながら査定額が示されていたら、「ちょっと他よりも高いけど……」と警戒しつつも、信じたくなってしまいます。それが思い入れのある実家ならなおさらです。
そこで、信頼できる業者(担当者)なのかどうかを見抜く方法として、三つの特徴をあげておきたいと思います。これらを見抜くには、初対面のときに気をつけて観察する必要があります。
まず、コミュニケーション能力が高く、こちらの希望や事情をきちんと聞いてくれる人かどうか。こちらの話をろくに聞かずに媒介契約の話を進めようとしたり、説明がわかりにくかったりする人は避けたいところです。
中古物件の仲介売却は、6カ月以内に売れるのが一般的という印象です。一般媒介契約では売主に途中経過を報告する義務がないので、売主のほうから様子を聞くことになりますが、専任媒介契約、専任専属媒介契約の場合は定期的に報告する義務があります。
そのタイミングで、売るための対策について確認しておきましょう。きちんとした販売計画が立てられていれば、「この担当者はちゃんと考えてくれている」と判断していいと思います。
具体的な販売計画を持っているか
また、不動産に関する知識や経験が豊富かどうかも大切です。今までに取り扱った件数を聞いたり、実家の良いところや悪いところを聞いたりしてみて、的確に答えてくれるようなら安心です。どんなに高い金額を提示されても、売れなければ困ってしまいます。
この金額を出したからにはなんらかの根拠があるはずで、それでも売れなかった場合はどのような販売計画を立てているのか、具体的に聞いてみましょう。
そのときに「いや、なんとかなりますから。心配しなくて大丈夫ですよ」と軽く流すような担当者だったら、あまり深入りしないほうがいいかもしれません。売却にともなうリスクについても何でも正直に話してくれる担当者なら、任せてもいいと考えられます。
不動産売買において、会社選びと担当者選びのどちらが大事かと問われたら、私は迷わず担当者選びと答えます。結局のところ、物件が売れるかどうかは価格と、担当者がどれだけ親身になってくれるかで決まるといっても過言ではありません。良い担当者かどうかは、売主が見きわめなければならないのです。
もちろん“百点満点”の営業担当者はいませんし、相性の問題もあるので難しいところですが、不動産は高額な取引になるからこそ信頼関係が一番大切です。良い仲介業者、担当者にめぐり会えるかどうかは運も大きいですが、ここでお伝えした特徴を参考に見きわめましょう。








