大手不動産会社の強みは、なんといってもそのネームバリュー。近年、不動産の売買にはインターネットの活用が不可欠になっています。特にこれからマイホームを手に入れようとしている若い世代の人は、まずネットで探します。

 その点、大手不動産会社はシステム専門の部署があるなどウェブサイトで発信することが得意です。また、全国に支店があるため、ネットワークの強さも武器になります。

 ただし、大手不動産会社は社員数も多いため、担当者によって営業力はまちまち。優秀な担当者に当たればこれほど心強いことはありませんが、新人で経験が浅かったり、仕事に対していい加減な人に当たったりする可能性もあります。「大手だから、任せて安心」というわけでもないのです。

地場の不動産会社のネットワークも捨てがたい

 一方、地元の不動産会社は古くからその土地に事務所を構えているため、住所を伝えるだけで「あ、あそこの土地ですね!」とすぐに事情がわかり、話がスムーズに運びやすいという良さがあります。また、「いい物件が出たらすぐに連絡をほしい」と地域で物件を探している顧客とのつながりがあったり、つき合いのある地主や商店街メンバーの人脈などを生かした情報収集に長けていたりします。

 ただ、地方の小さな不動産会社は常に人材不足で、高齢の社長さんと年配の社員が数人でやっているようなところもあります。そういうところはいまだに口コミやチラシだけで販売活動を行っていて、ネットをあまり活用できていないケースも多いようです。

 地元でニーズがあればすぐに決まることもありますが、大手不動産会社のように全国に発信ができないため、隠れた希望者を見つけにくいという弱点があります。

 大手と地元、どちらの不動産会社にもメリット・デメリットがあります。「多少時間がかかっても、できるだけ高く売りたい」「少し手間がかかっても、納得のいく業者選びをしたい」というのなら、大手・地元それぞれ2社の不動産会社に査定を依頼してみてください。それでおおよその相場が見えてくると思います。