収益目的のユーザーも
ツイッターを取り巻く状況は様変わり

 その後、ツイッターの状況は変わってしまった。昨年からは名称が「X」となり、有料のサブスクリプションサービスに加入し、さらにフォロワー数などの条件を満たしたユーザーは、投稿のインプレッション数に応じて収益配分を得ることができるようになった。

 こうなると、収益目的でインプレッションを伸ばそうとするユーザーが出現することになる。大手メディアのニュース記事投稿や、フォロワー数の多いユーザーの投稿に、不自然な同じ文言のリプライが飛んでいるのを見たことはないだろうか。

 インプレッション数の多い投稿に「ぶら下げる」ことで、自分の投稿のインプレッション数を稼ぐ目的だと推測される。こういった投稿は、他のユーザーの投稿を真似たり、自動で行われていたりするため、不自然であることが多い。

 こういった手口でインプレッションを稼ぐユーザーがいるのだから、震災という緊急事態に乗じて、インプレッション数を稼ぐためにデマを流そうとするユーザーがいても不思議ではない。以下の記事は、いずれもX(旧ツイッター)での収益配分を狙ったデマがある可能性を指摘している。

・能登半島地震、Xで津波や救助要請のデマ拡散 背景に広告収益(1月2日/毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240102/k00/00m/040/195000c

・地震や事故後、SNSで相次ぐデマ 表示数稼ぎも「拡散前に疑って」(1月3日/朝日新聞デジタル)
https://digital.asahi.com/articles/ASS135G0SS13ULLI001.html?pn=5&unlock=1#continuehere

・迫る「地震発生72時間」、SNSで「救助」求める偽投稿…「善意の第三者」が拡散(1月4日/読売新聞オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240104-OYT1T50077/

 以前はデマと言えば愉快犯、もしくはデマを真実と信じ込んで拡散してしまう人によるものだったが、現代のSNSでは金銭を得る目的でデマを流す人がいておかしくない状況となってしまっている。