売上が上がらない、いくらコピーを工夫しても全く反応がない。そんな悩める人におすすめなのが、コピーライティングの第一人者・神田昌典氏25年の集大成であり、「この本は100万円以上の価値がある!」と北の達人コーポレーション木下勝寿社長が絶賛する話題の書『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。今回は本書の中から、反応率を上げる方法を一部抜粋しながら紹介しよう。

メールPhoto: Adobe Stock

ステップメールとは?

 販売キャンペーンは、1~2週間で締切を設けたほうが成約率は高くなる。

 本書151ページの「締切」の箇所で下図を解説した。

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 しかし、締切日もしくは締切前日にリマインドメールを送らずにただ待つだけでは、最後の伸びが鈍くなるのは当然だ。

 一回の販売期間中に、複数メールを送る必要がある。

 少なくとも、配信日と締切日近辺の2回は送ろう。

 紙のダイレクトメール時代に発見された手法に、「ステップメール」がある。

 ステップメールとは、同じ人に、ある一定の間隔で、複数回、連続して送るメールのこと。

 一般的に3回が多いが、5回、7回の場合もある。

 このステップメールは、現在ではメールでも使われる。

 ステップメールは、アメリカの有名なコピーライターであるダン・S・ケネディ(1954~2020)が、借金返済の督促レターがトーンを変えて3回送られてきたことにヒントを得て、考え出したものだ。

 文章のトーンや内容を変え、3回送ることで、1回しか送らない場合と比べ、反応率が2~3倍になることがわかっている。

 本書152ページで触れた下記データでも、締切日と締切前日だけで全体の44%が購入している。

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 期間が8日間と短いので、中間のリマインドメールを出さなくても一定の申込があるが、最初と最後に申込が多い傾向は変わらない。

 期間が2週間くらいになると、中間で一回、リマインドメールを出したほうが成約率は上がる。

リマインドメールを出すタイミング

 当社では、締切のリマインドメールを「締切前日」に出す。

 締切当日だと、当日中にメールが開封されず、締切に間に合わない人が多数出てくるからだ。

 実際、メール送信後の時間経過別開封状況は、次のようになっている。

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 2月1日朝9:00に送信した場合、当日中(2月1日23:59まで)に開封する人は、全体の85%だった。

 もし、これが締切当日だったら、残り15%は間に合わない。

 翌日9:00まで、つまり24時間経過後でも全体の88%だ。

 このように、メールを送ったからといって、すぐに読まない人が多いので、それを見越した戦略を考える必要がある。

 これは朝9:00に送信した事例だが、我々の場合、夕方や午後でも、9時間経過後で80%弱という傾向はあまり変わらない。

 また、同じ人に何度もメールを送ると、「うっとうしい」と反感を持たれるのでは? と思われるかもしれない。

 同内容のメールを何度も送れば当然そうなるから、内容はその都度変えて送るようにする。

 同時に大切なのは、メールの「配信解除」の状況をよく見ておくことだ。配信解除があまりにも多いときは、「うっとうしい」と思われているときだ。

 我々の場合でも、メール配信の都度、配信数の0.02%、多いときでは0.05%程度の配信解除がある。

 この程度であれば、新規リストの獲得状況と成約状況から許容範囲と見ていい。

 適切な人に適切なメッセージを届けることで、「うっとうしい」と思われるリスクは軽減できる。そのために有効なのが、次回紹介するセグメンテーションなのだ。

 本書ではコピーライティングで反応率を上げる方法を体系的に紹介した。ぜひ活用してみてほしい。

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)