そうやって、5分でよいので、部下の話に集中して耳を傾ける機会を、朝、昼、夕方と1日3回、合計15分つくることを試みましょう。1日は1440分ですから、15分は約1%です。1日のたった1%の時間でよいので、部下の話を心から聞くことを継続すれば、部下との信頼関係が増し、彼、彼女たちの承認欲求が満たされます。そして、結果として、離職率が下がります。

「聞き上手」の上司に
なるための2つの方法

 上司、経営者は「聞き上手」になることを目指しましょう。そのために、相手の話に対して、しっかりうなずき、「聞いている」ことを分かりやすいリアクションにして表現します。反応が薄いと相手は聞かれているかどうか分からず不安になるからです。

 表情にも意識を向けましょう。真剣に聞こうと思うと硬い表情になりがちですが、それでは、相手は話しづらく感じます。柔らかい表情でいることを心がけてください。

 話をしやすい態度でいることも大切です。腕組み、足組みをしたり、頬づえをついたり、のけぞって高圧的に見えるような態度を取るのは厳禁です。特に腕組みは、相手に対して防御壁をつくり、「あなたの話は受け入れません」とサインを送っていると捉えられてしまいます。癖になっている人は要注意です。

 こちらが話すスピードや声のトーンは、相手に合わせることが基本です。ゆっくり話をする相手には、スピードを落として話をする。明るいトーンなら、元気に受け応えします。人は自分と共通点がある相手には親近感を抱き、心を開きます。そして安心して話をすることができるようになります。相手の話を正確に把握するために、ある程度話を聞いたら、要約して伝えて間違って認識していないかどうか確認してください。

「聞き上手」の上司になる上で、大切なことが2つあります。