ただし、寝坊するなら1時間以内をおすすめします。ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)といって、生活リズムと体内リズムが大きくズレると、睡眠の質が低下する可能性があるからです。休日に1時間以上寝坊すると、翌日、「昨日と違う早い時間に起こすなんてリズムが乱れるじゃないか!」と脳と体が戸惑ってしまいます。その抗議の声が、ぼーっとして頭が働かない、だるいという症状として現れます。

 また、「朝時間を活用する」ために、夜11時に寝て5時に起きるくらいなら、早起きはするべきではありません。もっとも死亡リスクが低い7時間以上の睡眠をキープするのが最優先で、夜11時に寝たら6時半起きがベストです。たった1時間半の違いですが、7時間以上しっかり寝ると疲労がとれ、集中力が上がり、1日の充実度が格段に違います。7時間以上睡眠を確保することが、あなたがとるべき正しい行動です。

寝る前の3時間は
デジタル機器は絶対禁止

 寝る前の3時間はパソコンやスマホ、テレビなど、デジタル的なデバイスを見ないことです。

 強い光を発する液晶からはブルーライトという青い光が発せられています。

 ブルーライト自体は悪いものではありません。太陽の光にも含まれ、朝、概日リズムを整えるサポートをし、気分や注意力を高めてくれます。つまり、ブルーライトは脳を覚醒させる作用があるため、夜は絶対に避けたいのです。夜9時を過ぎたら、明かりは1段階暗くしましょう。

 ブルーライトはメラトニンを抑制する働きがあり、夜、概日リズムを乱す作用となります。特に液晶のブルーライトはメラトニンを低下させ、入眠を難しくします。

 ブルーライトは光源からの距離が近いほど影響を受けます。そのためもっとも避けたいのはスマホです。夜中に目覚めたとき、時間を確認するためにスマホを見る人は多いかと思います。スマホを見た瞬間、脳に「覚醒しろ」「注意しろ」「興奮しろ」と命じているのに等しいのです。

 寝る数時間前からはデジタル機器、特にスマホは見ない。近くに置かない。夜中に目覚めても絶対にスマホは見ない、使わない。できれば寝る数時間前からは手が届かない場所に置くか、理想的には電源を切っておくことをおすすめします。