血糖値の上昇を防ぐ
海藻やキノコを取り入れよう

(1)糖質は食物繊維を含むものから取る
 昨今の糖質制限ブームから、糖質をできるだけ摂取しないように意識している人は多いです。確かに、糖質は体内でブドウ糖に分解され、エネルギーとして使われなかったものは、脂肪として蓄えられるため、糖質の取り過ぎは体脂肪の増加につながります。

 しかし、糖質を極端に減らすと、体は危機を感じてエネルギーをためる方向に働き、結果的に体脂肪が付きやすい体質となってしまうのです。

 糖質の取り方にはポイントがあります。糖質は、ご飯やパン、麺類などの主食となるものや、イモ類、チョコレートやクッキー、ケーキなどのお菓子などに多く含まれています。同じ糖質を含む食材でも、食物繊維を含むものであれば血糖値をゆるやかに上げてくれるため、脂肪の蓄積を抑えることができるのです。

 主食であれば、玄米や胚芽米、イモ類ならサツマイモは食物繊維が多く含まれています。チョコレートや甘いお菓子などは控えて、主食で糖質を取り入れていきましょう。Bさんは蒸したサツマイモをよく食べているとのこと。この習慣はぜひ続けてください。

(2)脂質は赤身肉や鶏ささみ肉と良質な油から取る
 脂質の取り過ぎは、糖質と同様に体脂肪増加の原因となります。脂質は体内で脂肪酸に分解され、使われなかったエネルギーは脂肪として蓄えられます。しかし、脂質を極端に減らすと、タンパク質が不足したり、女性の場合、ホルモンバランスの乱れにつながってしまいます。

 肉を選ぶときは、脂質の少ない赤身肉や鶏ささみ肉、鶏むね肉を選ぶとよいでしょう。サバやイワシ、サンマなどの青魚の脂には、血液を固まりにくくする働きのあるDHAやEPAを多く含んでいます。

 オリーブオイル、エゴマ油、シソ油、亜麻仁油などの良質な油には、動脈硬化を予防する働きのある、リノレン酸やオレイン酸が含まれていますので、良質な脂をとり入れるようにしましょう。また、調理方法は揚げるよりも焼く、蒸す、煮る方が余計な脂の摂取を抑えることができます。

(3) 海藻類ときのこ類を取り入れる
 ワカメ、ひじき、めかぶなどの海藻類には不溶性の食物繊維が多く含まれています。その一種のフコイダンという成分には、血糖値の急上昇を防ぎ、余分なコレステロールを排出する作用があります。また、シイタケ、マイタケなどのきのこ類には、糖質の代謝を促進させるナイアシンや血糖値の上昇を防ぐβ―グルカンを多く含んでいます。

 海藻類やきのこ類を毎日取り入れることで、脂肪の蓄積を防ぎ、腸内環境が整い、余分な老廃物を排出してくれます。野菜を意識して食べることも重要ですが、加えて海藻類やきのこ類も取り入れましょう。

 体脂肪は付きやすく落としにくいものなので、健康的な食事と運動を併せて長いスパンで実践していくと、徐々に結果が出てきます。