運動習慣に加えて食事制限
なぜ体脂肪は落ちないの?

 まず、「体脂肪率」と「体脂肪計」についてお話ししておきます。体重が体の重さであるのに対し、体脂肪率とは体重に占める脂肪の割合のことを指します。体脂肪計を用いて家庭でも簡単に体脂肪率を測定することができますが、家庭用の体脂肪計は、体内の水分量や分布に影響を受けやすいのが特徴。

 たとえば夕方に計測すると、朝に比べて下半身に分布する水分が相対的に増えるため、数字が低めに出ます。これは、体内に水分が多いと電流が通りやすくなる関係で、起こることです。食事などで水分を摂取した後は同様に低く、また排尿後、もしくは入浴や運動などによる脱水後は逆に高めに出ます。

 つまり、体脂肪を測定する際は、体内の水分量が変化する飲食、運動、入浴後は避けることが必要となります。体重が1〜2kg落ちても体脂肪が変わらないという場合は、測るタイミングによるものかもしれません。また、機種によって測定方法や判定基準が異なるため、体脂肪率の正確な測定は困難といえます。

 なお、成人女性は30%、成人男性は25%を超えると体脂肪量が高いと言われていますので、Bさんの場合(23%)は標準範囲です。

 体脂肪計のことも念頭に置いた上で、Bさんのお悩みにお答えします。お便りにあったように、Bさんは、食事に気を使って、運動も定期的に行っています。

 Bさんの場合、食事制限をしながらのダイエットのため、エネルギー不足の可能性があります。空腹の状態で運動をすると、体はエネルギーを確保するために筋肉を分解し始め、筋肉量の減少につながってしまいます。筋肉量が減少すると、筋肉で分解・消費しきれなかった糖が肝臓へ回り、脂肪に変換されてしまうのです。