AI写真の発達でAIで生成できる写真を仕事で撮っている人は、かなりの広範囲で仕事が減って淘汰されると思います。単純に予算の問題です。フォトグラファーやモデルを用意するよりも圧倒的に安い。
だけど仕事が減らない人もいます。ひらたくいえば有名な人です。その人が撮ることで予算以上の価値が出るからです。
趣味で写真を撮ってる人も考えたほうがいいです。AI写真がすごく増えるとどうなるかといえば、写真がみんな似ると思います。いま現在のAI写真もかなり似てます。だけどそれは昔も今も趣味で写真を撮ってる人の写真も似がちです。
だから似た写真からの脱却の時期が迫っていると思います。それから写真がより体験になっていくと思います。写真のための写真ではなく、旅行や料理やアウトドアやなんでもいいけど写真以外の趣味のための写真になると思います。より自分の目で見たものを撮るようになると思います。
たとえば綺麗な富士山の写真はもうAIで生成できちゃう。CGと一緒で人間は違和感があるけど、無機質なものや風景は違和感がよりなくなります。つまりGoogleで検索したらいっぱい出てくるような似た写真も淘汰されます。
「これAI写真ですか?写真ですか?」みたいな質問に「これはねぇ写真なんですよ」と返事して「へーすごーい」となる時代がすぐきます。いまだって「これはねぇ合成じゃなくて一発撮りなんですよ」「へーすごーい」みたいな会話ってあるし。
幡野広志 著
デジタルカメラに古いレンズを使ったり、フィルムカメラを使ったりする人がたくさんいますけど、たぶんそっちの方向にもどんどん進むと思います。世界中でAIでは生成できない写真を目指すのだと思います。
カメラが発明される前の絵画ってすんごい高精細でした。写真でいえば大判カメラ並みの描写力。だけどカメラが登場すると絵画よりも短時間で高精細の写真が撮れるようになったんだから、高精細の絵を描く必要性も薄れたわけです。高精細ではなく描写も変化して、抽象画みたいなものができたわけです。
写真にできることは写真に任せて、絵画は新しい道を進みました。写真も一緒だと思います。AI写真にできることはAIに任せればいいと思います。それで写真は新しい道を進む。そんな仰々しい話でもなくて、たぶん写真が体験になります。