尿や便、汗などによって排出する水分は1日におよそ2.5L。一方、供給されるのは、食事に含まれる約1Lの水分と、化学反応によって体内でできる0.3Lほどの代謝水。単純計算すると、足りない水分は残り約1.2Lということになる。この量の水を飲んで補うと、プラスとマイナスの帳尻が合うわけだ。

 ただし、大量の水を一気に補給しようとしてはいけない。人間が一度に吸収できる水の量は、コップ1杯分ほどの200ml程度。このため、適量を1日数回に分けて飲む必要がある。

 飲むタイミングとしては、起床後すぐ、朝食前、昼食前、夕食前、入浴前後、就寝前といった具合に、適度なインターバルを開けるようにしよう。食事の前に飲むのは、まず胃に水を補給しておいて、食べ過ぎを防ごうとするためだ。

 なお、この飲み水にコーヒーやお酒は入らない。利尿作用があるため、飲料としてカウントできないばかりか、逆に水を補充する必要がある。コーヒーやお酒を飲んだ場合は、同じ分量の水を補給しておこう。

近年注目の「やせホルモン」を増やす
牛肉赤身が大好き!

 近年、やせたい人の間で話題になり、社会的な問題にもなっているのが、「GLP-1」という物質の作用を利用するダイエット方法だ。

 GLP-1はインスリンの分泌を促すホルモンの一種で、主にたんぱく質をとったあとに小腸から分泌される。血糖値の上昇を防ぐ効果があり、糖尿病の人に処方する薬としても使われている。

 ダイエットに関連して注目されているのは、体重コントロールに有効な働きを持っていることだ。脳の満腹中枢に働きかけて、食欲にブレーキをかけるのがその作用のひとつ。この働きによって、少なめの食事でも早く満足感を覚え、その後の食べ過ぎを防ぐことができる。

 胃のぜん動運動をゆるやかにして、消化がゆっくりになるのもGLP-1の持つ重要な働き。食べたものが胃に入ったあと、長時間とどまることになるので、おなかがいっぱいになったという感覚が長く続くわけだ。

 その効能を手軽に期待する方法がある。たんぱく質の多い食品を積極的に食べて、GLP-1の分泌を促そうとするものだ。