正解は 4

解説 ①時価総額112億円という小型株であれば、市場規模がよほど小さな“ニッチ業界”でビジネスを展開しているのでなければ、まだまだ成長余力があると考えて問題ないでしょう。

クリアル(2998)は「不動産業」、さらにいうと「不動産投資」のクラウドファンディングをメイン事業にしている会社ですが、不動産投資の市場規模(収益不動産の資産規模)は約275兆5000億円もあります(2022年のニッセイ基礎研究所と価値総合研究所の共同調査より)から、伸びしろはふんだんに残されています。

②株価チャートをみると、途中で一時ガクンと下げたタイミングもありますが、すぐに値を戻しているので、全体的には上昇トレンドが続いているといってもいいでしょう。

上昇トレンドが崩れるということは、一度株価を下げたら、なかなかもとに戻らないか、戻るまで長い期間を要します。

【新NISAにも役立つ】「お金を増やす人・減らす人」板情報の読み取り方に決定的な差イラスト:カツヤマケイコ

株価急騰(急落)の要因は?

③出来高の棒グラフをみると、急増した日(2022年12月28日)があります。この日(もしくは前日)に、なにがあったのかは、投資判断をする際には必ず調べましょう。

同様に、出来高増加をともなって株価が急騰(もしくは急落)した日があれば、株価急変動の要因を必ず調べるようにしましょう。

自社サイトのIR 情報や「みんかぶ」「株探」「Yahoo! ファイナンス」などの株式投資の情報サイト、それに東京証券取引所が提供する適時開示情報伝達システム「TDnet」で、「会社名」「日付」で検索すれば、たいていなにかしらのニュースにたどりつけます。

ちなみに、このときは、2023年3月期利益予想の上方修正が注目され、一気に出来高が増えるとともに株価が急騰。上場初日の2022年4月28日につけていた最高値を更新しました。

「板」をどうみるか?

④の「板」について、詳しくない方もいるかと思いますので、ここで説明しておきましょう。

「売り」と「買い」の指値(=希望する売買価格→買いは上限価格、売りは下限価格)を「気配値」といいますが、この気配値の売買注文状況を並べたものを「板」といいます。

【新NISAにも役立つ】「お金を増やす人・減らす人」板情報の読み取り方に決定的な差

この板をみる限り、売りも買いも注文数が少ない“薄い板(活発に売買されていない状態)”となっていることがわかります。

「買気配」をみる

このときは1株約2196円なので、単元株(売買単位=100株)で最低投資金額として約22万円が必要になります。

板に並んでいる「買気配(指値の買い注文数)」をみると、上から順に100株、100株、300株、300株、700株とあります。

これを金額に換算すると、上から順に約22万円、約22万円、約66万円、約66万円、約154万円となります。

つまり、この板をみる限り、仮に1000万円を投資すると、価格変動のリスクが非常に高く、自分の売買で株価が大きく変動してしまう可能性が高いと考えられます。

ポイント 売買するときは念のため「板」情報もチェック

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。