リレーで走者がバトンを渡すように
短鎖脂肪酸が作られていく

ここで活躍するのが腸内細菌。複数の腸内細菌がリレーでバトンを渡していくようにして、食物繊維やオリゴ糖から短鎖脂肪酸をつくります。
「短鎖脂肪酸とは、酢酸・プロピオン酸・酪酸などのことをいいます。これらは食物繊維やオリゴ糖を最初の材料として、さまざまな種類の腸内細菌が順番にはたらきかけ、リレーのように、第1走者から第2走者、第2走者から第3走者と受け渡され、少しずつ形をかえながら作られるのです」
腸内細菌が短鎖脂肪酸をつくる様子をリレーに例えると、下記の通りです。
第1走者「糖化菌(納豆菌など)」:食物繊維・オリゴ糖から糖をつくる
第2走者「乳酸菌」と「ビフィズス菌」:糖から乳酸・酢酸をつくる
第3走者「プロピオン酸菌」と「酪酸菌」:乳酸・酢酸からプロピオン酸・酪酸をつくる
「まずは最初の材料となる食物繊維やオリゴ糖を取ることが重要です。しかしそれだけでは短鎖脂肪酸をつくることができません。第1走者・第2走者・第3走者となる菌も必要です」
さらに、第3走者がつくる「酪酸」をつくるためには「ビタミンB1」も必要。現代人はビタミンB1が不足しがちですので、積極的に取りましょう。ビタミンB1は大豆や肉類などに含まれています。