頭の良さとは「わかりやすさ」を追求すること

 以前、情報番組のMCを務めるほどの人気芸人とたまたま会う機会がありました。そのときに、「情報番組とかバラエティとかいろいろな仕事やっていて大変なことはある?」と私が質問したら「大変なのは情報収集よりも、理解の部分ですかね。ちゃんと自分が理解できていないとわかりやすい言葉が出てこないので」と返ってきました。

 詳しく話を聞いてみると、続けてこう言ったのです。

「難しいことを難しい言葉で話すだけなら、誰でもできるうえに、最悪暗記をすればいいんです。でも、それじゃあ、僕である意味がない。難しいことを簡単に変換できたら、それは僕じゃなきゃできない仕事なんじゃないかなと思ってます」

 この言葉を聞いて私も非常に納得しました。「頭の良さ」と言うと、「難しいことを極めていく」という印象がありますが、実はそうではないのです。むしろ「簡単さ・わかりやすさを極めていく」ことこそが本当の頭の良さであり、地頭の良さです。

 皆さんのまわりにいる「地頭の良い人」も同じような特徴を持っているのではないでしょうか。

 加えて、難しいことを簡単に、わかりやすく伝えようと努力を続ければ、誰もが地頭がよくなっていきます。実際に、先ほど例に出した芸人もNSC(お笑い養成所)に入ってきたときは、ごく平凡な生徒でした。それが努力で売れっ子にまでなるのですから、「自分は元から地頭が悪い」と諦めてしまうのはもったいないでしょう。

 ぜひ皆さんも頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。