2022年の申告分から
対象商品が大幅拡大!
(1)2022年分以降のセルフメディケーション税制の対象商品は?
制度がスタートした当初、セルフメディケーション税制の控除対象は、市販薬の中でも「スイッチOTC薬」に限定されていた。
スイッチOTC薬は、「Over The Counter」の略で、薬局でカウンター越しに薬剤師から購入する薬を指している。従来は医師の処方箋が必要だった医療用医薬品が、使用実績などから一般用医薬品・要指導医薬品に転用され、薬局でも購入できるようになった薬だ。
医療用成分が配合されているので、高い効果が期待できるものの、その数は限定的で、セルフメディケーション税制の利用は伸び悩んでいた。
そのため、2021年度の税制改正で、セルフメディケーション税制の対象品目が見直されることになり、2022年分の申告からスイッチOTC薬以外でも効果の高い市販薬については、控除対象に組み入れられることになったのだ。
2024年2月1日現在、セルフメディケーション税制の対象商品は、スイッチOTC薬が2740品目、スイッチOTC薬以外の市販薬は4153品目で、合計6893品目となっている。
具体的な商品名は、厚生労働省のホームぺージにある「セルフメディケーション税制対象品目一覧」で確認できる。これを見ると、鎮痛剤や胃腸薬、総合感冒薬、鼻炎用内服薬、水虫薬、湿布薬、点鼻薬、漢方薬、薬用クリームなど、幅広い商品が対象になっていることが分かる
スイッチOTC薬では、抗アレルギー薬の「アレグラFX」、鎮痛剤の「ロキソニンS」、風邪薬の「新ルルAゴールドs」などが名を連ねている。
また、スイッチOTC薬以外では、葛根湯抽出液の「カコナール」、かゆみ止めクリームの「メンソレータムADクリームⅿ」、のど飴の「固形浅田飴クールS」「南天のど飴G」などを見つけることができる。
いずれも、テレビのCMなどでよく見かける身近な商品で、利用している人も多いのではないだろうか。
セルフメディケーション税制も、医療費控除と同様に、控除額が多くなればなるほど還付金も増えていくので、控除対象の市販薬を購入した場合は、すべてを忘れずに計上することが節税のカギだ。
対象商品のパッケージには「セルフメディケーション税控除対象」と書かれた識別マークが付けられている。また、薬局等でもらうレシートには対象商品であることが分かるように、「★」「◆」などの印が付けられているので確認してみよう。
対象商品の大幅拡大によって、セルフメディケーション税制で税金を取り戻せるチャンスも広がっている。日頃から市販薬を購入するときは、セルフメディケーション税制対象商品を選ぶことを意識しておけば、確定申告で所得税の還付を受けやすくなる。