血管老化が関与か
動脈硬化と高血圧で高リスク
発症年齢のピークは男性70代、女性は80代で、午前6~12時など、日中の活動時間帯に発症するケースが多い。なんの前触れもなく胸や背中の引き裂かれるような激痛と共に発症し、薄くなった血管壁から血液が染み出してショック状態に陥ることもある。
薄皮一枚で血流に耐えていた外膜が破裂した場合、致死率は極めて高い。
東京都監察医務院の報告では、病院到着前の死亡率は61.4%、発症後は時間が経過するほど死亡率が上がり、93%が24時間以内に亡くなるという。病院にたどり着いたとしても、院内死亡率は30%と決して楽観はできない。
発症要因はまだ明らかではないが、血管老化の関与が疑われており、少なくとも動脈硬化と、血管老化を促進する高血圧で発症リスクが高まることは確かだ。
また近年の研究では、血管内皮細胞が持つ血管保護作用の劣化の影響も疑われている。
いずれにしても、血管老化を加速させる生活は、致命的な結果を招きかねないと肝に銘じておきたい。
なお、本特集#5や#6では抗血管老化作用のある食材リストや運動法、#7では血管年齢の測定法をそれぞれつまびらかにする。
Key Visual by Kaoru Kurata, Graphic:Daddy’s Home