善玉菌、日和見菌、悪玉菌の
理想的なバランスは?
腸内環境を左右するのは、腸に生息する「腸内細菌」です。大きくは、体に有益な働きをする「善玉菌」、主に有害な働きをする「悪玉菌」、普段は善玉菌でも悪玉菌でもない「日和見菌」の三つに分類され、理想的なバランスは善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割といわれています。
腸内環境を整えるとは、善玉菌を増やして悪玉菌の増殖を抑えることです。腸内環境は、年齢とともにバランスが崩れやすくなっていきます。日々の食生活で意識することが大切です。
善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれる食品や栄養素は、主に次の3つが挙げられます。
1 発酵食品
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌は、発酵食品を取ることで補うことができます。ヨーグルト、ぬか漬け、キムチ、納豆、みそ、チーズ、甘酒、塩こうじなど、意識して毎日の食事に取り入れてましょう。
特にヨーグルトは、腸内の粘膜を強化したり、免疫機能を活性化する機能があるとして厚生労働省から認められ、特定保健用食品に指定されているものもあります。味の好みや食べた後のおなかの調子などで、自分に合ったヨーグルトを選ぶと良いでしょう。
2 食物繊維
食物繊維は善玉菌の餌となり、増殖を促してくれます。食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があります。
不溶性の食物繊維は、ゴボウなどの根菜類、豆類、玄米や雑穀米などの穀類、きのこ類に多く含まれています。水溶性の食物繊維は、果物や海藻類、芋類やネバネバした野菜(オクラ、モロヘイヤなど)に多く含まれています。
毎日の主食を玄米や雑穀米にすることで、不溶性の食物繊維を習慣的にとることができます。また、野菜、海藻類、芋類などを使った、具だくさんのみそ汁やスープを毎日取り入れることで、水溶性の食物繊維を補うことができます。
3 オリゴ糖
オリゴ糖は善玉菌の餌となります。タマネギ、ゴボウ、ニンニク、バナナ、大豆、はちみつなどに多く含まれています。最近では、砂糖のかわりに使える液体やシロップタイプのオリゴ糖も販売されているので、調味料として使うのもおすすめです。
これらの三つの食品や栄養素を組み合わせて取り入れることで、整腸効果が高まるといわれています。
腸内環境は1日で整えられるものではありません。継続して腸に良い食事をとることが大切です。自分のライフスタイルに合わせて、無理のない組み合わせのメニューを見つけていきましょう。