アドバイスが欲しいとき、プレゼンを成功させたいとき、商談を成功させたいとき……そんなときにも「一流の質問」はおおいに力を発揮する。コミュニケーションのプロがビジネスシーンですぐに使える「質問スキル」を伝授する。本稿は、桐生 稔『質問の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
アドバイスをする方も聞く方も
Win-Winな「正しい求め方」
さて、今回は思わずアドバイスしたくなる質問です。
何か困ったとき、「大丈夫?」「手伝おうか?」と声をかけてもらえる人、いつも適切なアドバイスがもらえる人、そんな愛されキャラが一定数います。
逆に、いつも孤立無援で奮闘している人もいます。
人間、一人で解決できることには限界があります。だからこそ、困ったときや悩んだときに、適切なアドバイスがもらえる質問は大切です。
でも、アドバイスを求められる方も、アドバイスに答えられず気まずい思いをしたり、アドバイスの内容が不満だったのか、相手に不服そうな顔をされたら嫌なはずです。
せっかくアドバイスをくれた相手に「答えなきゃよかった」なんて思わせてしまったら、二度とアドバイスがもらえなそうですよね。
だからこそ相手が答えやすいアドバイスの求め方が必要です。
微妙な違いではあるものの、相手の反応が大胆に変わる質問の仕方があります。
それは、「どうしたらいいですか?」という質問を「どうしてますか?」に変えることです。
「最近、眠れないのですが、どうしたらいいですか?」とアドバイスを求められたら、お医者さんでもない限り、即答は難しそうです。
でも、「○○さんは眠れないとき、どうしてますか?」だったら、素人でも答えられます。自分のケースを話せばいいからです。
「とりあえず布団に入って目をつむる」「少し本を読む」「寝るのを諦めて好きなことをする」など、いろいろ出てきそうです。
アドバイスを求めた方も、そのラインナップの中からヒントを探せばいいし、相手のケースを聞いているだけなので、絶対に取り入れないといけないということはありません。
「企画が思いつきません。どうしたらいいですか?」は、「企画が思いつかないとき、どうやってヒントを得ていますか?」に。
「高圧的なお客様だと話せなくなります。どうしたら話せますか?」は、「高圧的なお客様には、どうやって会話をしていますか?」に。
微細な違いですが、アドバイスを求められた方の口数は圧倒的に変わります。