ビジネスパーソンにとって、「良い上司がつくかどうか」は、プロジェクトの成果も、その後の人生さえも左右する、と言っても過言ではありません。コンサル22年で得た知見を『頭のいい人が話す前に考えていること』に凝縮した安達氏は、「良い上司」と、「ダメな上司」を見分ける極秘基準を持っていたと言います。「今の上司」「かつての上司」「上司としての自分」を思い浮かべながら本記事を読むことで、「良い上司かどうか」そして「良い上司であるためにどうすればいいか」がわかります。
褒める上司が「良い上司」ではない
さまざまな会社の管理職の人たちを比較し、「良い上司」と、「ダメな上司」を見分けることが経営コンサルタントとして重要な仕事の1つだった。
なぜならば、「ダメな上司」にプロジェクトの責任を持たせれば、まずプロジェクトはうまくいかないし、「良い上司」に責任を持ってもらえれば、多少のトラブルが発生してもプロジェクトはうまくいく。
コンサルタントはあくまでも部外者であり、成果が出るかどうかはその会社の社員の方々の働きぶりに依存する。そして、社員の方々に命令できる権限を持っているのは、その上司たちである。だから、プロジェクトが開始されると、私はまず「どの人が『良い上司』であるかを見極める」ことに多くの時間を割いた。
そして、どの組織にも、「良い上司」と、「ダメな上司」がいた。
面白いことに、「社内の評判が良い」からといって良い上司であるとは限らないし、逆も真なりであった。社内の評判が良いからといってその人に仕事を任せると、後になって「何もやっていない」ということが発覚し、大きな問題となってしまう。
だから、私は「良い上司かどうか」を見極める際に、社内の評判に依存しない判断基準を設ける必要があった。
もちろん万能の判断基準はない。時には全く当たっていないこともあった。だが、3000社1万人ものビジネスパーソンと対峙し、検証した結果、それなりに使える判断基準ではあったと思う。
先に申し上げておきたいのは、「たくさん褒めてくれる上司」が「良い上司」であるわけではないということだ。部下を全くほめない「良い上司」もいた。人当たりのとても良い「ダメな上司」もいた。
「良い上司」と、「ダメな上司」を見分ける基準は次の6つである。
みなさんの上司はいくつ次の基準に当てはまるだろうか?