魅力的な旗印を掲げるリーダーに
部下はついてくる
この「感動(KANDO)」という標語は、織田信長による「天下布武」に通じるところがある。「素晴らしい製品をつくって、顧客を感動させたい!」という、経営トップのビジョンをありありと感じるからだ。
現場社員も、そのビジョンに対して「腹落ち」しやすい。商品開発などの業務で困難に直面しても、「顧客を感動させるにはどうすればいいか」という目的に立ち返れば乗り越えられる。こうした“旗印”があったからこそ、平井氏は構造改革を進めて収益力を強化し、ソニー復活を成し遂げられたといえる。
入山教授も「『これが感動なんだな』と、平井氏が周囲に分かってもらえるまで徹底的にやったことが、ソニーが復活した最大の理由だと思う」と強調する。ビジネスの世界でも戦国時代と同じく、「リーダーの言葉」の持つ力は大きいのだ。
いかがだっただろうか。学生時代に習った日本史を振り返ると、実はビジネスのヒントになる示唆が満載である。
動画特集『戦国武将の経営理論』ではこの他にも、「普通のビジネスパーソンでも徳川家康になれる!」など、日本史とビジネスを関連付けた解説をお届けしている。本記事で興味を持った方は、ぜひチェックしてみてほしい。