今後の検討における
3つの論点
これからの検討における第一の論点は、有識者会議の結論を覆して、配偶者や子どもにも皇族身分を与えるかどうかである。
家族なのに身分が違うのは不自然だと言う人もいるが、たとえば、首相夫人は公的な立場でないが、必要に応じて公人に似た扱いを受ける。また、首相夫人が海外訪問などの公務に実質的に参加するかどうかも、首相夫人の希望によりケースバイケースで柔軟に対処されているのと同じで、不自然とはいえない。
そもそも、女性宮家推進派は、内親王が難点のある相手と結婚したいというはずないとか主張していた。だが、小室圭氏の件で、その主張は覆された。また、将来の状況に応じて、制度を改正して結婚相手を皇族にしても構わない。いずれにせよ、現状では皇族としないほうが、佳子さまや愛子さまの結婚相手を制約しないためにもいい。
第二の論点は、旧宮家の養子案も同時に決めるべきかどうかである。私は前述の「女性皇族本人が結婚後も皇族身分を保持する案」も含め、どちらの案にもそれぞれ反対する人はいるが、この二つを同時に決着しないと、何も決められず、機を失うと考える。
女性皇族については、佳子さまと愛子さまが適齢期を迎えているので急ぐ必要がある。また、皇族の養子についても、ご高齢の常陸宮殿下がご健在のうちに養子をとられるほうが、民間から嫁いだ妃殿下たちが養子をとるより自然だから、急いだ方がよい。
第三の論点は、佳子さまと愛子さまだけなのか、三笠宮家の彬子さま、瑤子さま、高円宮家の承子さまも議論の対象に含むかどうかである。佳子さまと愛子さま以外のお三人も、公務の担い手不足のなかで貴重な戦力となっており、今後、結婚されるのかどうかも分からないが、結婚されて公務から離れられたら困るのは、佳子さま、愛子さまと事情は同じだ。