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大手戦略系コンサルティングファームの序列に異変が生じている。日本で事業を展開する外資系戦略ファームで、長らく四番手だったA.T.カーニーの人員数が直近でベイン・アンド・カンパニーを逆転した。戦略コンサル業界では、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベインの頭文字を取った「MBB」が3強として君臨してきたが、足元ではカーニーの躍進によって新3強である「MBA」との呼称が業界関係者の間でもささやかれつつある。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、独自に集計した大手戦略ファームの最新の人員数とともに、その最前線をレポートする。（ダイヤモンド編集部 竹田幸平、山本 輝）
「MBB」から「MBA」へ？
戦略ファームに新トレンド
「もはや『MBB』ではなく、『MBA』ではないか」――。コンサルティング業界では今、3大戦略系ファームの呼称を巡って、にわかにこんな声がささやかれ始めた。
従来は「MBB」と言えば、グローバルにコンサル事業を展開するマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）、ベイン・アンド・カンパニーの3社を指すのが業界内の常識。国内でも、東京大学や京都大学といった超一流大学からの新卒就職人気が高く、コンサルキャリアの最高峰として注目を集めてきた。
いずれも高いブランド力は健在だが、本連載の記事『最強マッキンゼーで異変！2連続で実質退職勧奨の「イエローカード評価」社員続出、「コンサル余り」も実情判明』で異変を詳述したマッキンゼーだけでなく、実は人員の規模で見た序列において、新たなトレンドが到来していることが判明した。
ダイヤモンド編集部が集計した主要な外資系戦略ファーム6社（マッキンゼー、BCG、ベイン、A.T.カーニー、アーサー・ディ・リトル、ローランド・ベルガー）の国内人員数によれば、直近でカーニーがベインを上回った。「人」をよりどころとするコンサルビジネスにとって、人員数は最重要指標の一つと言えるが、これまで規模感で後塵を拝していたカーニーがベインを逆転するなど従来の常識が崩れ始めているのだ。
昨年には、アパレル業界担当の名物パートナーとして知られた福田稔氏が、ローランド・ベルガーからカーニーへと移籍したことも関係者の注目を集めた。また、詳細は次ページで明らかにするが、昨年の終盤にはカーニーが新たに書籍の発刊に動くなど、情報発信も強化中。積極採用路線を取っており、何かとカーニーの勢いが目立つ状況にあるのだ。
次ページでは、外資系戦略ファーム6社の最新の人員数とともに、各社の現況をレポート。日本における戦略系ファームの最新動向を明らかにする。
