2回目もライバルが勝った
差がついた分のハンデをつけたのだから、同時にゴールするのでは?
こんなの一瞬でわかりますよ。余裕です。
……そんな直感で判断すると、間違えやすい問題です。
1回目の競走でわかること
まず、1回目の100メートル走からわかることを確認してみましょう。
2人が走る速度は各々がつねに一定ですから、1回目の競走で、
であるとわかりました。
つまり、(当然ですが)ライバルの方が足が速いと言えます。
2回目の競走を検証する
2回目の100メートル走では、ライバルはスタート地点より10メートル下がった地点からスタートしました。
つまりゴールまで、ライバルは110メートル、あなたは100メートル走ったことになります。
1回目の競走で、ライバルが100メートル走る間に、あなたは90メートル走るとわかっています。
ライバルにとって100メートル、あなたにとって90メートルの地点、つまり……
ゴール手前10メートルの地点で2人は並びます。
そして、ゴールまでは残り10メートルあります。
その間、足が速いライバルがあなたをわずかに追い抜くため、ライバルが先にゴールします。
「思考」のまとめ
2回目の勝負で10メートルのハンデをつけられるなら、「あなたがスタート地点から10メートル進んだ位置から走りはじめる」とすべきでした。
そうするとゴール地点で2人が並ぶことになり、少なくとも引き分けが狙えます。
いっけん同じように見える提案(ハンデのつけ方)であっても、中身は大きく違うこともあるのです。
なんとなくの印象で信じると直感の落とし穴にはまってしまうと、教えてくれる問題でした。
・人間の直感は意外とあてにならない
・明らかに正しいと思えることほど、しっかり考えてみることが大切
(本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。)
都内上場企業のWebマーケター
論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者。ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1,500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。本書が初の著書となる。