名所旧跡も会話の糸口に
「あ、もしかして毛利秀頼とか、尾張系の毛利ですか? 毛利と書いてモリって読むタイプですか?」
こんなふうに聞いていくと、さらに「よく知ってますねー」と感心されます。あるいは、出身地の市町村名を聞くと、近隣の城や名所旧跡も思い浮かびます。
「あー○○市ですね。それなら□□って山城ないですか?」と尋ねると、やっぱりびっくりされます。
地元ネタで会話が盛り上がる
「ありますけど、地元の人しか知らないようなところですよ。よく知ってますね!」
「一度行ってみたいんですよ」
「いやいや、あんなのただの山ですって」
こんなふうに会話が盛り上がることが、たびたびあります。
歴史の雑学で一目置かれる
歴史の雑学を披露して、周囲から一目置かれるケースもあります。
私が20代の頃、戦時中の資料を展示した博物館を見学したときのことです。展示品の中には「千人針」が置いてありました。
千人針とは、1枚の布に1000人の女性が1針ずつ赤糸を縫いつけ、1000個の縫い玉を作ったものであり、武運長久・安泰を祈って出征兵士に贈られていたものです。
千人針の豆知識で
学芸員に驚かれる
学芸員さんにいろいろお話を聞いている中で、ふと思い出した知識をしゃべってみたところ、非常に驚かれました。
「千人針って1人1回ですけど、寅年の人は年齢の数だけ縫うことができるんですよね?」
「なんでそんなこと知ってるんですか。お若いのに!」
引っ張りだこになった
寅年生まれの女性
「虎は千里を行き千里を帰る」という故事から、寅年生まれの女性に年齢の数を縫ってもらうと効果が大きいとされ、糸で虎の絵を描くことも多かった。
だから戦時中は寅年の女性が重宝され、あちこちで引っ張りだことなった――。こんな知識を何かの本を読んだ記憶があったのです。
人間に深みをもたらす
歴史の雑学
歴史の雑学は、人生において直接役立つとは限りませんが、人間にある種の深みをもたらしてくれます。
教養があれば、格好いい大人になることができるともいえるでしょう。
※本稿は、『教養としての歴史小説』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。