個品割賦事業や企業間決済保証事業、クレジットカード事業などを手がけるノンバンク大手のオリエントコーポレーション(オリコ)。1月にイオングループ傘下の金融会社、イオンフィナンシャルサービスと業務提携を発表し、3月には個品割賦事業を行うイオンプロダクトファイナンスの全株式を取得した。両社のメリットと、みずほフィナンシャルグループのリテール戦略における役割について、かつてみずほ銀行でリテール部門を率いたオリコの飯盛徹夫社長に話を聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
イオンフィナンシャルサービスと業務提携
個品割賦事業の強化からスタート
――イオンとの業務提携について、経緯を教えてください。
イオンフィナンシャルサービス(FS)の藤田健二社長とは、2023年夏頃から業務提携について話を始めました。
当社は、ショッピングクレジットやオートローンなど当社のサービスを提供する加盟店網を全国に持っています。そうした加盟店の皆さまへのサポートを行う拠点があり、人も配置しています。
一方でイオングループも、全国の店舗やその店舗へ商品を納入する会社が全国にあり、拠点と人を配置しています。
今は全国のあらゆる産業で人手が不足している中、両社には拠点と人を配置しているという共通の強みがあります。この強みを、業務提携することで、より強くできないかという発想で話を始めました。
イオンFSは、直接お客さまへのサービスを行う“to C”の事業に強みを持っています。一方で、オリコは加盟店と共にお客さまへサービスを提供する“with B to C”のビジネスが強い。そこで、両社の強みを掛け合わせ、協力する方向性が9月ごろには固まりました。
そこでまずは、イオンFSの連結子会社で、オートローンなどの個品割賦事業を行っているイオンプロダクトファイナンスの全株式を、オリコが取得することになりました。
――イオンFSには、銀行や保険、リースなど、他の金融会社もあります。さらに買収する可能性は?
みずほフィナンシャルグループ(FG)で執行役員経営企画部長やリテールバンキングユニット長などを歴任後、みずほ信託銀行社長を経て、オリコ社長に就任してから4年。金利上昇など取り巻く環境が大きく変化する中で、イオンフィナンシャルサービスとの業務提携を主導する飯盛徹夫社長の描く将来像は。みずほFGとの協業も含めて、話を聞いた。