知名度の割に苦戦を強いられているのが、乙武洋匡氏だ。文春や公明調査とされる情勢調査をみれば、公明票が入れば逆転の芽がある。しかし、過去の下半身スキャンダルから、創価学会婦人部からの得票も期待ができないかもしれない。

 先の参院選での公約は、同性婚や選択的夫婦別姓などのリベラルともとれる政策を掲げ、大きな政府指向を見せていた半面、原発再稼働、規制緩和、表現の自由については推進する意向を示していた。政策的に全面的に賛成という人もいなければ、反対という人もいないだろう。ひろゆき氏や宇野常寛氏など乙武氏の友人がこぞって応援をしているところを見ると、半径1メートルの人には好かれるタイプなのだろう。参院選の「あきらめない」というキャッチフレーズも、福祉政策重視を匂わせていて、この人が日本を経済的に成長させてくれるかというと甚だ疑問だ。

 今回、大健闘しているといえば、この維新の金澤氏だろう。応援に来た維新の議員たちが口々に「地道に頑張っている」とコメントしているところをみても、私自身江東区に隣接する地域に住んでいるので、金沢氏が街頭で挨拶しているところに何度も出会ったので、その努力については認めたい。しかし、いったいそれがなんなんだろうとも思う。

 維新は、日本を経済成長させようとしている意思のある数少ない政党だ。しかし、経済成長に必要な「国民の負担を減らす」ということをなぜかいつまで経っても約束しない。そのための行動もとらない。減税をうたっても、横には「ストック課税を見直す」という増税ともとれる表現が必ずついている。保守政党であるなら、多少の利権の差配も必要であろうし、選挙に勝つためには国民ウケするバラマキも必要なのだろう。

 しかし、トータルでは「国民の負担を減らす」と明記してほしい。教育費無償化(学費の全額税負担)など、(教育機会平等の達成)効果が薄く、教育の質が落ちることが学術的にはわかっていて、かつ莫大な予算が必要な政策を掲げている限り、やはり将来、増税するのだろうと疑ってしまう。ストック課税とは、国民の財産、預金、株などに課す税金だ。

島根1区でも自民は惨敗濃厚
惜敗狙いが関の山

 日本保守党の飯山氏は、自身が外交政策に明るいと自負しているのだろうが、党綱領に掲げた「減税と行政の適正サイズ化によって国民の負担を軽減させ、可処分所得を増やすべく、税と国家財政のあり方の大改革を企図する」について、もっと言及してほしい。

 ネトウヨ政党だと揶揄する声もあるが、日本保守党の党綱領は、率直にわかりやすい点について、高く評価している。党綱領からは一部で懸念される差別意識は感じない。他の主要政党は、理屈をこねくり回すばかりで、美辞麗句を用いて国民を騙す意図があると感じてしまう。特に自民党は最悪だ。