ひらめくビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

職場で気を遣うあまり、相談ができない人は意外に多い。特に若い世代は相手の時間を奪うのではないかと考えてしまうもの。そこで、相談のハードルを下げるメソッドをカウンセラーが伝授する。※本稿は船見敏子著『仕事で悩まない人の相談力』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。

「そんなこといちいち聞くな!」
相談する/しないの区別とは

 上司や先輩に相談したら、「そんなこといちいち聞くな!」と怒られた経験はありますか?

 一度そういう経験をすると、また拒絶されるのではないかという不安がふくらんでしまいますね。

 でも、「そんなこと」とは、どんなことなのでしょう? 上司や先輩の立場になって、少し考えてみてください。

 それは、自分で調べたり考えたりすれば解決できることではないでしょうか。例えば、書類の形式や提出方法など職場内のルールに関することは、ルールを取りまとめた文書や過去の書類などを見ればわかります。

 また、一般常識のような書籍やネットで調べればわかることも、「そんなこと」に該当するでしょう。

 例えば、封筒の宛名は横書きか縦書きか、いくらの切手を貼ればいいのか、このようなことはネットで調べたらすぐにわかります。自分で判断すべきことともいえるでしょう。

 何かに迷って相談しようと思ったときに、一度立ち止まって考えてみましょう。「これは、調べればわかることだろうか。自分で判断していいことだろうか」と。

 もし自分で判断するのが不安なら、「私は○○と思いますが、いかがでしょうか?」と、自分の考えを伝えて、上司や先輩にジャッジしてもらうのもいいと思います。

 それを繰り返していけば、だんだん、相談していいこととダメなことの区別がつくようになり、自分で判断できるようにもなっていきます。

 そして、「調べてもわからなかったら相談していい」と思えれば、相談へのハードルもぐっと下がるでしょう。

悩みを他人事として捉え直す
「視点チェンジセラピー」

 相談することは相手の時間と労力を奪うこと。つまり、迷惑をかけることだと思い込んでいる人はとても多いものです。

 でも、相談は相手に信頼という心のギフトを贈ることでもあると、頭の隅に置いておきましょう。

 それでもやっぱり迷惑をかけるんじゃないかと心配になるなら、「認知行動療法」を試してください。

「認知行動療法」は心理療法のひとつ。「認知」とは、ものごとの考え方のことです。

 例えば、朝から雨が降っている日、「ああ、雨か。嫌だなあ」と考える人もいれば、「お気に入りの傘を使える!」と考える人もいます。前者はゆううつな気持ちになり、後者はうきうきした気持ちになります。