同じ状況でも、後者のような考え方ができると、毎日穏やかに過ごせるようになりそうですよね。
ストレスを感じやすい考え方を修正して、気持ちを落ち着けたり、ストレスを減らしたりするのが、「認知行動療法」です。
ただ、「認知行動療法」は自分ひとりで行うには少し難しいもの。そこで気軽に試せるセルフ認知行動療法を考えました。名付けて「視点チェンジセラピー」です。
では、次の(1)~(3)について、順番に考えてみてください。
(1)あなたが悩んでいることを思い浮かべてください。
(2)仲良しの友達や同僚が、同じことで悩んでいると想像してみてください。
(3)あなたは、友達や同僚になんと言ってあげますか?
例えば、「相談することは迷惑をかけることだ」と考え、誰にも相談できなくて悩んでいるとします。まったく同じ悩みを仲良しの友達がもっていたら、なんと言ってあげますか?
「そんなに心配しなくて大丈夫だよ。相談されたら力になりたいって思うものだから、気軽に相談してみたらいいんじゃない?」
「相談したほうが積極的な人だと思ってもらえるよ」
こうした言葉をかけるのではないでしょうか? そのセリフを、そっくりそのまま、自分に言ってあげましょう。
自分のことってなかなか客観的には見られないものです。だから悩んでしまうわけですが、他人のことだったら客観的に冷静に考えることができますよね。
他人へと視点を移して、「ひとごと」として見つめてみると、今までとは違う考え方が浮かんできます。
こんなふうに視点を変えるだけで、気持ちはスーッとラクになります。相談できなくて立ち止まってしまったときだけでなく、何かに悩んだとき、「視点チェンジセラピー」にトライしてみてくださいね。
助けを求められない人にすすめる
「スモールステップ」という行動
相談したって自分の問題は解決しない。相談してみたことはあるけれど、思ったような答えは返ってこなかった。自分のことは自分でできなければ成長しない。
そんなふうに、相談してもムダだとあきらめていませんか? 責任感が強い人は比較的、人に頼るのが苦手です。過去に相談がうまくいかなかった経験から周囲を信頼できなくなり、あきらめている人もいるでしょう。
かつての私も、そんなふうに考えていました。