つぎのステップに移るため、満足する人生を送るためにも、「仕事」をしながら「学び」と「遊び」を同時にしていくことは欠かせないのです。

 これまで会社内だけで教育・実践されていたことが、社会全体で通用するように、自分で学んでいく必要性も出てきました。自分から積極的に学ぼうとする人、まったく学ぶ気のない人の差は、収入の格差となって広がっていくでしょう。

 また、純粋に興味があることを学ぶのも大事ですが、「これを学んだら、いまの仕事に生かせる」「新しい食い扶持になる」など仕事に関連する学びをひとつはもつのがおすすめ。学んだら、すぐにアウトプットできる場もつくると、さらに効果的です。

 遊びは「とにかくワクワクすることをやる!」に尽きます。定年になってから遊ぼうなんて遅すぎます。その年代、そのときの立場や興味でやりたい遊びは違うはず。忙しい人ほど、遊びの時間をもつ必要もあるのです。

 仕事と人間関係のストレスでうつ気味になっていた友人は、週末に釣りやキャンプに行くようになってから、心の余裕ができてすべてがうまく回るようになったとか。

 遊びのなかから新しい視点が生まれたり、問題解決を学んだり、フラットな人間関係を築けたりするもの。「学ぶ」「遊ぶ」「働く」は不可欠で、相乗効果があるのです。

ものより経験にお金をかけて
「心のゆたかさ」も得る

 若い女性がこんなことを言っていたことがありました。

「高いお金を出して旅行をするなんてもったいない。ブランドのバッグを買えば形として残るし、売ることもできるけど、旅行はなにも残らない」

 いえいえ、むしろ逆なのです。ものの価値は、よっぽどのレアな値打ちものでない限り、買った時点からどんどん下がり、劣化や破損もするもの。一方、自分のなかに蓄えた経験は確実に残り、命あるかぎり、生かされ続けます。

 稼ぎ力を高めて、かつ人生を楽しんでいる人は、ほぼ例外なく、「ものより経験にお金をかける」という習慣があります。

 お金をかけなければできない経験があるのは事実。「世界遺産を見に行く」「音楽ライブを聴きに行く」など五感で味わった経験は、記憶が薄れても、知識や知恵、想像力、洞察力、行動力など、血や肉と同じように、自分を形づくっていくのです。

 私は20代のころは仕事漬けになることが、より稼ぐ最短の道と思っていました。