「運用」に関しては、元本を確保するか否かのタイプがあります。このうち元本確保タイプは、定期預金や積立年金保険、傷害保険などです。もちろん元本を保証されるため、年金という意味合いでは安心ですが、利率が低く、昨今のゼロ金利政策の下で管理手数料などのコストを鑑かんがみると、選ぶメリットはあまりないかもしれません。
一方の、元本を確保しないタイプは投資信託です。元本は確保されませんが、当然、元本確保タイプと比較するとリターンは大きく、種類も豊富なのでニーズに適した運用ができると言えます。
iDeCoでは、加入者自身が配分を指定して運用されます。そのため加入したら、まず掛金の配分割合を指定する必要があります。毎月の掛金が1万円の場合、商品Aを5000円分買いたい時は、「商品Aを50%買う」という指定にします。
掛金が引き落とされた後、指定した配分割合に従って、運用商品が購入される仕組みです。配分割合は1%単位で指定でき、合計が100%になるように指定します。
投資信託で運用する場合は、通常の投資と同じように、運用状況によって受け取ることができる金額は変わります。したがって、運用する投資信託選びは重要です。加入する金融機関が用意しているラインナップの中から慎重に選んでください。ただし、始めた後で運用する投資信託を見直すこともできますし、資産配分を変更することもできます。運用機関から届く書面やインターネットで運用状況を見て、見直していけばいいのです。
最後に「受け取り」ですが、あくまで年金のため、原則60歳までは引き出せません。ここが、いつでも引き出せるNISAとの最大の違いで注意が必要です。60歳以降に給付請求を行うことで、積み立てた金額を「老齢給付金」として受け取ることができます。また、2022年には、老齢給付年金の受給開始時期の上限が70歳から75歳までに延長されました。60歳から75歳までの間で、自分で選択できるわけです。