この「どうせ」という言葉を、「どうせなら」という言葉に言い換えてみましょう。

「チャンスはもらったけれど、どうせダメだ」ではなく、「せっかくチャンスをもらったのだから、どうせならやってみるか」といったようにです。

「どうせなら」という言葉を使うように心がけることで、気持ちが自然と前向きになっているのを感じるはずです。

<くじけない心をつくるポイント>
「どうせダメ」はあなたの勝手な思い込みで事実ではない。

「くじけない人」とは、必ずしも、「自分の実力以上のことをやろうとする人」ではありません。むしろ、「自分の限界を知っている人」と言えるのではないでしょうか。

「自分の限界を知っている人」とは、自分には今、このくらいの実力しかないということをよく認識している人です。

 自分の現状をよく理解している人です。

 このタイプの人は、自分の実力を超えた、無理な目標を持つことはありません。

 それがたとえ周りの人たちに自慢できないような目標であっても、自分の実力に見合った目標を設定し、その目標をくじけることなく着実に達成していきます。

 そして、少しずつであっても、自分の実力を高めていきます。

 一方、「自信過剰な人」、つまり、「自分には弱いところなどないと考えている人」は、往々にして自分自身の力を過信して、自分の実力以上の目標を掲げてしまいがちです。

 周りの人に「スゴイと思われたい」という虚栄心も働き、高すぎる目標を持ちます。

 しかし、自分の実力以上の高すぎる目標を掲げたために、途中でうまくいかなくなって、結局は心がくじけてしまうことになりがちです。

 そういう意味では、「自分の限界を知っている人」のほうが、着実な目標を達成し、少しずつ自分の能力を向上させながら、最終的には大きなことを成し遂げることができるものなのです。

 自分自身に謙虚に向かい合える人が、「くじけない人」なのです。

<くじけない心をつくるポイント>
自分の限界を知って、実力以上のものを望まない。

自分を大きく見せる人は自ら潰れる
真の自分を見出して真から強くなる

 イソップ物語に『牛をうらやむカエル』という話があります。

 ある日、一匹のカエルが散歩していると、一頭の牛を見つけました。

 カエルは、牛の体の大きさに驚き、「自分もあんなふうに大きくなりたい」と思いました。

 そして、家族のもとへ戻ると、息を大きく吸い込んで、お腹を大きくふくらませ、「どうだ。私の体は牛のように大きいだろう」と自慢しました。しかし、家族のカエルたちは、「おまえの体は、牛のようには大きくない」とバカにしました。