例えば大きくうなずく。両手で○印を出す。そんなオーバー気味なリアクションにようやく慣れてきた頃に、コロナでの警戒態勢も緩和され、時流はリアルでの会議や商談に戻ってきました。すると、リアルでのリアクションの取り方に戸惑う人も出てきました。
大きくうなずくのも何かわざとらしくて抵抗感がある。かといって、うなずく頻度を上げるのも、何か違う気がする。そんなことを気にしていると、どうリアクションをしていいかわからず、結果的にほとんどリアクションができなくなってしまうのです。
かといって、欧米式のオーバーリアクションで対応すると、対応した側も対応された側もやはり違和感が残ります。
そんな時は、目を見開くようにしましょう。もっと正確に言うと、目をまん丸に見開くのではなくて、瞳孔を少し大きめに開くようにします。
人間の身体は自分で思っているより精巧です。自分が興味を持っている時はより多くの情報を取り込もうとして、瞳孔が開きます。そして話し手もそれを敏感に無意識下で察知して、瞳孔が開いている人(=自分に興味を持っている人)には、好意を抱きやすくなります。
では、瞳孔を開くなんていう器用な芸当が、思いのままにできるのでしょうか?
できます。そんなに見違えるほどの変化はしませんが、ほんのわずか見開くことができます。そして、ほんのわずかな変化でも、相手のセンサーは敏感に察知してくれます。
それではどうやって瞳孔を開かせるのか?原理としては簡単です。興味を持つと瞳孔が開くのなら、興味を持てば良いのです。
いやいや、それができるくらいならリアクション自体に困らないよ。ごもっともな意見です。これを解決するのが演技テクニックです。
演劇では演じている時に、悲しくなったり楽しくなったり怒ったりと様々な感情の変化が起こります。その人物になりきっていて、毎回自然と同じように感情が湧き上がるという天才型の役者さんもいますが、凡人の私には、そんな芸当はできません。