厚生労働省社会・援護局が対象としているのは、高齢者を除いた社会的弱者一般であると考えてよい。であれば、そこから提示される政策のすべては、

「立場の弱い人々に対して、何らかの底上げを行う」

 という視点から統一することが可能そうだ。しかし現状は、

「生活保護は生活保護、地域福祉は地域福祉、障害者福祉は障害者福祉、高齢者福祉は別部署」

 という感じで分断されている。

 今回は、生活保護に関して、どのような説明が行われたかを紹介する。

「適正化」の名のもとに
変質しようとする生活保護行政

 厚生労働省社会・援護局保護課長の古川氏は、生活保護法の見直し・生活保護基準の見直しについての考え方を説明した。

 2011年5月から行われていた厚生労働省・地方自治体の協議では、生活保護受給者の急増にどう対処するかが問題となっていた。2011年12月に取りまとめられた「生活保護制度に関する国と地方の協議に係る中間とりまとめ」では、

1.必要な人には支援を行う
2.勤労年齢層に対しては、生活保護の申請に至らないようにする
3.高齢者に対しては、社会とのつながりを密接にする
4.生活保護の適正化が必要
5.生活保護受給者の急増には対策が必要

 という考え方が共有され、その後の「生活支援戦略」や法案の基盤となっているという。

 しかしながら、生活保護を必要としており、容易に生活保護から脱却することもできない人々が数多く存在する現状に対して、何も手を打たずに「生活保護受給者の急増に対策を」というわけにはゆかない。

 このことは厚生労働省も認識している、たとえば保護課資料の3ページには、世帯主が稼働年齢層で、なおかつ世帯主は傷病・障害などの問題を抱えていない生活保護世帯(世帯類型でいう「その他世帯」)の急増が示されているものの、5ページの年齢別グラフでは、50~59歳の生活保護受給者が多いことが示されている。本人に就労意欲があり、就職活動を懸命に行ったとしても、雇用されることが困難な人々である。古川氏は、

「この方々に対しては、生活保護以外のメニューで、きめ細かな支援を行うことが必要」

 と述べた。また、

「生活保護の問題は、生活保護の中だけでは解決できないと実感しました」

 とも延べ、自立支援・就労支援、第2のセーフティネットの必要性を強調した。