開戦当時、日本のメディアはキーウではなく「キエフ」と報じていたが、これも今となっては懐かしい言葉。この呼称の変更は、ロシア語からウクライナ語に発音を近づけるためのものであった。

「キーウ」近郊から撤退したロシア軍はその後、ウクライナの東部と南部に攻撃を集中した。

 9月30日、ロシアはウクライナ東南部の4州(ルガンスク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソン)の併合を一方的に宣言。聞き慣れないウクライナの地名が連日、報道されるようになった。悲惨極まる映像と共に。

大横綱・大鵬ゆかりのハルキウは
ロシアに攻められ街を焼かれた

●ジョーク「輸入」
問い・2022~2023年における、ウクライナ最大の輸入品とは?

答え・ロシア軍

 ウクライナ第2の都市であるハルキウも無差別攻撃の対象となり、街は焦土と化した。

 実はこの街は第二次世界大戦後、ソ連に抑留された日本人が強制連行された先の一つである。一般的に「シベリア抑留」と呼称されるが、抑留先はシベリアだけでなく、カザフスタンやモンゴルなど、ユーラシア大陸の広範囲に及んだ。ウクライナもその一つであった。

 ハルキウには大規模な収容所があり、多くの日本人がこの地で強制労働を課せられた。今回のロシアの攻撃で破壊された建物の一部は、かつて日本人抑留者が建設したものである。

 ハルキウの人々は日本人抑留者に同情的な人が多く、収容所への食料の差し入れも珍しくなかったと伝わる。そのため、ハルキウの収容所での死亡率は、他の場所よりもかなり低かったと言われている。

 また、昭和の大横綱である大鵬(納谷幸喜)の父親の出身地はこのハルキウであった。大鵬の父親はコサック騎兵の将校で、ロシア革命後に日本に亡命した人物だった。その縁から、ハルキウには大鵬記念館が建てられ、相撲の人気も高い。

 そんなハルキウも戦場と化したのである。

「ロシア発祥の地」への
プーチンの強すぎる執着

●ジョーク「兄弟」
ロシア人がウクライナ人に言った。

「我々は親しい友人同士だね」

ウクライナ人が言った。

「いや、我々は兄弟と言えるだろう」

ロシア人が嬉しくなって答えた。

「確かにそうだね」

ウクライナ人がため息をつきながら言った。

「友人は選べるけれど、兄弟は選べないからね」

●ジョーク「勤勉」
プーチンとは、世界で最も勤勉な大統領である。一つの国だけでなく、二つの国を運営したいというのだから。