中には、目に見えて不愉快なことをする人もいます。

 例えば、攻撃的で暴力的な言葉や相手を威圧したり否定したりというモラハラやパワハラなどはわかりやすい攻撃であり、相手に対して、こちらも防御として対策を取りやすいかもしれません。

 しかし、これが一見していい人、優しそうで温厚そうな態度だけど、どこかに違和感を感じる、いつもこの人と関わると疲れてしまう、モヤモヤする、何か不快感が残る……というケースはどうでしょう。ただしそれだけで、現実的には問題は何も起きていません。

 結局モヤモヤを感じたまま、どうすることもできないということになります。

 このような場合はもしかしたら、自分自身が何かの問題や誰かの問題に巻き込まれているかもしれません。

仕組まれていた悪意と怒りの捌け口

 このモヤモヤする不快な感覚や違和感は大事な心のサインです。

 こんなケースがあります。

 清美さん(仮名)は、建築会社に勤める会社員です。

 彼女はいつも同僚の女性従業員たちの中で「ある違和感」を抱いていました。

 なぜか自分が給湯室に入るとそれまで話していた人たちの会話が止まったり、挨拶もよそよそしかったり、ランチのときも自分以外の女性たちだけで仲良く出かけていきます。

 清美さんは「自分はもしかしたら避けられている?」という疑いを持ち始めました。

 しかし、自分が何か悪いことをした覚えもなく、なぜこのようなことになっているのかさっぱりわからないまま時が過ぎていきました。そして、ある日、営業マンから「あれ清美さん、今日は女性社員全員で飲み会だったんじゃないの?」と尋ねられたのです。

 自分は誘われていなかったため、驚きました。