緊張する場面ですべきは
「正しいリラックス」

 緊張する場面では、最もしてはいけないのが「頑張ること」です。ストレスフルな場面では、頑張って体に力を入れることで、体と心に、余分な負荷がかかってしまうからです。その結果、失敗して「こんなに頑張っているのに」と自分を責めて、心身への負荷はさらに増すことになります。ストレスの悪循環に陥ってしまうのです。

 緊張する場面ですべきは、正しいリラックスです。

 まっすぐに立ち、つま先立ちをして、安定した状態になったら、ゆっくりとかかとを下ろす。これだけで、本来の立ち方を確認でき、体に余分な力が入らなくなります。

 正しいリラックスを覚えておくことが、体を守るうえでは欠かせない、ということを胸に刻んでおくといいでしょう。

 ちなみに、虚脱状態のことを「気が抜けている」と言います。みなさんは、平日は気が張っている人が多いと思います。その反動で、休日は気が抜けてしまう。

 でも、気が抜けると、疲れは倍増します。そして、気が抜けると体調を崩したり、風邪を引きやすくなったり、ケガをしやすくなったりします。

 休日は、気を休めても、気は抜かないことです。気を休めるとは、正しくリラックスした状態で、ゆっくり体と心を休めることです。

 たとえば、「明日は休みだ」と言って、だらしなくお酒を飲みすぎるのは“気が抜けた”状態です。反対に、仲間と楽しく一杯やり、「ああ楽しかった。元気が出た。ありがとね」と言って、さっと引き上げ、お風呂で温まって、ゆっくり眠るのは“気を休めた”状態だと言えるでしょう。

リラックスして安定する立ち方は
ビジネスパーソンにも効果あり

 スポーツに限らず、姿勢が乱れていてパフォーマンスを発揮できるものは一つもありません。しかし、立ち方そのものを教わる機会はほとんどありません。立ち方を学ぶことは「土台づくり」です。リラックスすることで、人間に本来備わっている安定した姿勢になるのです。

 では、その立ち方を覚えていただきましょう。